【テニプリ】U-17の病弱少女

☆第11話★ ページ13

夕食の時間になり、にぃにぃ達と一緒に食事している

A「はぁ〜美味しい♪」

甲斐「お疲れ様」

木手「さすがの試合でしたね」

知念「また腕上げたさー」

平古場「わんの自慢の妹ばぁよ！」

そう言って頭を撫でてくれた

A「ん、ありがと」

慧にぃは黙々と食べているけど、構わず話を続けていく

木手「で、明日は越前リョーマですか」

A「明後日。連日の試合は駄目なんだってさ。制限時間もあるし、なかなか好きなようにできなくてね〜」

平古場「…病気、まだ治ってないのか？」

A「相変わらず」

スープを飲み干し、席を立った





Aの後姿を見つめ、呆然とする

元気そうに見えてたけど、やっぱり…

木手「ここでの生活は、療養にあまり向いてないのかもしれませんね」

甲斐「そもそもホントに治らないんじゃ…」

いや、そんなわけない。絶対治る。医者がなんと言おうとAは―――

平古場「…ちょっと行ってくる」






部屋のドアをノックする

A「？はーい」

ドアが開き、少し驚いたように目を丸くし、首を傾げた

A「どうしたの？」

質問には答えず、腕を引いて二人でベッドに腰かける

A「にぃにぃ？」

平古場「ここでの生活、どう？」

A「どうって…楽しいよ♪いろんな設備整ってるし、面白いテニスいっぱいだし、みんな優しいし」

平古場「…それでも病気は((」

A「さっきも言ったでしょ？相変わらずだよ」

明るく答えるAに、胸がギュッと締め付けられる

平古場「諦めてないよな？」

A「え？」

平古場「病気を治すこと」

A「…それは((」

平古場「大丈夫。絶対治るから」

視線を逸らして俯き、わんの手をキュッと握ってきた

A「ごめん。ちょっと諦めてたかも」

平古場「A…」

A「ここに来て、テニス我慢しても、人間関係で悩まなくなっても、病気は何も変わってくれないんだもん」

平古場「不安だった？」

A「…うん」

平古場「誰かに相談とかは？」

首を横に振る

A「そもそも何て言ったらいいのか分かんないよ。あまり心配かけたくないし、過去のことは話したくないし…」

平古場「だよなぁ」

A「ここでの生活が楽しいのは本当だけど…やっぱり、にぃにぃが居ないと私ダメみたい。めちゃくちゃ寂しかったんだから」

…可愛い。

少し潤んだ目でみつめてくるAを、そっと優しく抱きしめる

再開した時みたいに、Aは静かに涙を流した

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