【黒○】俺の周りが無自覚リア充共で溢れかえっているんだが、弐。

60スレ目『おバカ少女と白雪姫』 ページ19

競争が始まった、直後、


「はぁ……はぁ…………やべぇ迷った」


迷いました。

たぶん、山に入って数分もしない内に迷ったと思う。さすが俺。
というかどこに進んでも景色が全く一緒なんですがそれは


「くっそぉ……こんなときにスマホがあったら……」


第一誰だよ！！こんな植物がわさわさある山で競争しようぜ！なんて言ったの！！！
ソイツ馬鹿なんじゃねえの！？信じられねえ！！


「って、俺でしたー」


もう嫌だ。逃げ出したい投げ出したい誰か助けてサンタクロース！
もちろん助け舟などどこにも無く、俺は仕方なく、しくしくと一人で歩いた……。


……と、その時だった。



「あぁ、白雪姫……なんで……フッ」


「あのババアの毒リンゴさえ食べなければ……ブフォッ」


「はやっｗｗっｗくｗｗｗｗ王子様ｗｗｗ来てｗｗｗｗ」


「くごー……くがー……」



右前方の方から、どっかで聞いたことのある声がした。
白雪姫？なんだそりゃ、人魚姫の次は白雪姫かよ。おとぎ話オンリー。

俺はとりあえず、声の元に向かう。

そこで見たのは、棺に取り囲むように立っている、
小人の格好をした……霧崎第一の奴らだった。一人は寝ているが。

霧崎第一といえば、木吉サンをあーだのこーだのした忌まわしき奴ら！



「げっ、なんでお前らが……」



そしてソイツらは俺を見た瞬間、



「「王子様だぁああーーーーッ！！！」」


「はぁああああ！！？」


「確保しろー！全てはこの白雪姫のために！」


「うわっ、ちょっ、やめろ！！てか誰だよ白雪姫！！！」



俺は捕獲されそうになりながら、霧崎第一のメンツを見回した。
えーっと、死んだ魚の目と、目隠しガムと、ヤマザキ春のパン祭りと、眠りの大仏か。
っと、ん？オタマロがいねえじゃねえか。

……まさか。



「……そこ入っているのは」



俺は恐る恐る、棺の中を見る。

入っていたのは、ふりふりのドレスに身を包んだ、オタマロ……
花宮真、本人だった。



「マジで！？ブッフォ、ざまあｗｗｗｗｗ」


「赤司の使いに睡眠薬吸わされて、無理矢理連れて来られたんだとさ」


「犯罪じゃねえか！だが可哀想とは思わない」


「だからさっさと王子様探して、花宮目覚めさして帰ろうって話なんだけど……」


「えっ？キスで目覚めるの？どんな睡眠薬だよ」



……いや、キスで目覚めてしまうような相手、か？
だとしたら、適役なのは……

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