First Love【宇髄天元】

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結局宇髄から答えを聞くことも無く、
あの時の手紙の返事を聞けることも無く、

ただ無情に時だけが流れていった。




3月も半ばに差し掛かり、あと10日もすれば終業式。



宇髄とは、それで会えなくなる。






『はあ…』

｢Aちゃん？どうしたの？｣

『あ…蜜璃ちゃん。なんでもないの。』






無意識にため息を付いていたらしい。


まあそれもそうだ。
あれから１ヶ月、宇髄から放置プレイをくらっているのだから。





｢じゃあ、帰りの会を始めようか｣



産屋敷先生の言葉で、淡々と帰りの会が進む。
今日も一日、何も変わらない日だった。




帰りの会も終わって、いつもと同じように席を立ち
先生、前後左右のクラスメイトに｢さようなら｣と挨拶をする。




直前だった。









トントン



と、後ろから肩を触られる感覚。






『ん？』

｢あのさ、これ｣





触ったのは紛れもなく後ろの席の宇髄で、
その言葉と同時に綺麗に包装された包みを渡された。







誰にも見えないように、窓側の方から。
目線を下に落として、誰にもバレないようにそれを受け取る。


幸いな事に私たちは1番窓際の席だった。








それがなんだか、2人だけの秘密のやり取りみたいで。

まるでイケナイことをしているようで。



大好きな宇髄から、というのが私の心音を加速させた。









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