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加法(2) ページ4

いつもすてきな外観に見とれていたフレンチレストラン。今日は初めて中に入る。

オールドファッションなクリスマスナンバーが流れる店内。
一番奥の一番雰囲気の良い席、私の一番好きな人が座っていた。


「遅れてごめんなさい、」

急ぎ足で向かうと、彼は立ち上がり私のために椅子を引いた。

「気にしないで。バイトだったんでしょう?お疲れ様。」

「バイトは早く終わったんだけどね、その、髪とかメイクとかしてたら時間たっちゃって、、、本当にごめんなさい。」

「そんなに身なりに気を使わなくても、僕はAさんが好きなのになぁ。」

「会って1分もしないうちに恥ずかしいことを言わないでください。」



一流料理店のフルコース、残念ながら味は覚えていない。

リップが取れちゃうんじゃないか、ブサイクな顔をして食べていないか、そんなことばかり考えてしまって気が気じゃなかった。

クリスマスイブを恋人と過ごすという初めてのことにどぎまぎしていた。

こんなにも心を許した相手なのに、関係が明確になっただけで意識してしまって心臓が落ち着かないのだ。


「可愛いね、そのワンピース。」

キムジュンミョンがわざとらしく言った。


「うざ、、、。」

私は自分の頬が熱くなるのがわかった。
これを着てきたのは勿論、その言葉を待っていたからなんだけど、いざ言われるとたまらなく恥ずかしい。


「Aさんはちゃんと僕の言うことを聞いてくれるんだね。」

「そんなんじゃない、可愛い服があったら着たくなるのは普通のことですから。」

どうして素直にありがとうと言えないのか、何度自分を恨めばいいのだろうか。
私って可愛げがない。つくづく思う。


「僕の目に狂いはなかったよ、本当によく似合ってる。」

「も、もういいですワンピースの感想は。終わり!それより!ところでこれいくらしたの?すごく高価そうなんだけど。」

「そればっかり、その服をプレゼントしたときも同じことを言ってたね。」

呆れたように笑うキムジュンミョン。


私はあなたのその表情がとても好きだ。
仕方ないなぁ、と甘やかすようなその表情が一番好きだ。

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Rabbit(プロフ) - はじめまして!女の子の性格がタイプです。一気に読んでしまいました。更新楽しみです^^ (2017年12月6日 21時) (レス) id: 53dd95ba1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月子 | 作成日時:2017年12月4日 10時

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