数学サタデイ【スピンオフ】～Winter’s Tale～ (ページ2)

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足し算(2) ページ2

「ここまでが来週の宿題です。お疲れ様、今日もよく頑張りました。」

いつも通り、数時間、苦手な数学との格闘を終えた。

「はい、わかりました、ありがとうございました。さようならー。」

疲れた私はさっさと教室を後にしようとする。

「あぁ、待ってください、」

キムジュンミョンはなにやら教室の奥の方から大きめの物体を取り出してきた。

「今日はクリスマス前最後の土曜日でしょう？だからこれAさんにちょっと早めのプレゼントです。」

「、、、本当にくれるの？」

私は可愛くラッピングされたそれを受け取ってまじまじと見つめた。

「勿論です。Aさんのために買ってきたんだよ、開けてみてください。」

中に入っていたのは真っ白な50‘s調のワンピース。

胸元のリボンが可愛らしい。

「うわぁ、これ、高そう、、、」

「夢のない感想はよしてくださいw サイズはわからなかったので憶測ですが、きっとよく似合うと思います。」

男の人にこんなプレゼントをされるのは初めてだったからか、内心私はものすごくドキドキしていた。

「、、、ありがとうございます。着てみます。すごく可愛い。」

「気に入ってくれたなら良かったです。いつか僕に見せてくださいね。」

「これすごく私の好きなデザイン。それは約束できませんが、ありがとう先生。」

「困ったなぁ、Aさんが着たところを見たくてそれを買ったのに。」

あまりにストレートだから、返す言葉がとっさに見つからなくなる。

「外は寒いし、送っていきます。」

今年は、私にとって一番あたたかい冬が来た。