数学サタデイ【スピンオフ】～Winter’s Tale～ (ページ1)

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辺り一帯を漂う華やかな空気
きらきらした音楽、ビビットな赤と緑
寂しげな秋から一転、12月の街はすっかり賑やかになっていた。

私だって、クリスマスが嫌いなわけではない。
しかし、今日のそれはイライラを助長するだけだった。

休日の学校はただでさえかったるい。
クリスマスムードの道中で今日の数学の宿題について考えなきゃならない私の身にもなってほしい。

「メリークリスマス！Aさん、1週間ぶりですね。」

ニコニコと笑うその人はいつにも増してご機嫌だった。

「こんにちはジュンミョン先生。そのふざけた帽子はどこで手に入れたんですか。100均ですか。」

「冷たいなぁ。僕のちょっとした遊び心をなおざりにしないでください、」

そう言うと安っぽいサンタさんの帽子を脱いで私の頭に乗せた。

「なんでそんなに浮かれてるんですか！いい大人なのに！」

私が詰め寄ると、彼は拗ねた子供をあやすような目をして言った。

「ごめんごめん、でも、クリスマスっていいじゃないですか！」
「あっ、Aさんは今年はサンタさんに何をお願いしたの？」

「親がサンタを演じてくれるほどあたたかい家庭で育っていないのでそんなことしたことありません。」

「今年は僕がプレゼントをあげます。特別にね。」

キムジュンミョンの白い手が帽子の上から私の頭に触れる。

「本日休講というプレゼントをくださるつもりはないんですか？」

「ないです。」