昨日の正夢【S】 ページ1
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櫻井さんが告白されている夢を見た。
櫻井さんがよく話をしている同僚の女性社員に。
高田さん、美人で、髪が艶々で、胸が大きくて、スーツがよく似合う人。
窓の日差しに透けて微笑み合う二人が脳裏に焼き付いている。
お似合いだったなって思っては、しょせん夢だと言い聞かせるけど。
夢に見るほど自然なことなのかもと考えたりもするわけで。
確かあの人は櫻井さんの同期だったはず。
櫻井くん、って呼びかける声が頭に残っている。
別に私も櫻井くんって呼びたいわけじゃないんだけど。
距離感の近さも同じ時間を生きてきたことも全部を表すようなその呼び方がほんのちょっと羨ましいだけなの。
思いっきりため息。
休憩室、白い箱、高田さんの声。
いつもなら目覚めた瞬間から夢なんて薄らいでいくものなに。
こんな時に限ってなかなか消えていってはくれない。
でも、夢は夢だから。
そう思っていたんだけど。
「ねぇ櫻井くん、今朝見つけたから買ってきてあげたわよ」
「あ、限定シュークリームじゃん。よく買えたな」
「たまたま運が良かったのよ。お客さんが並んでるの見かけて、そういえば櫻井くんが欲しいって言ってたなぁと思って」
「さんきゅー。つか、よく覚えてたな」
「私と櫻井くんの仲だからね」
楽し気な会話が聞こえる。
私はため息を吐きたいのをこらえて取引先へのメールを打つのに集中しようと試みた。
キーボードをパチパチと叩く合間に櫻井さんのデスクから笑い声が響いてくる。
「おい、顔死んでるぞ」
「ほっといて」
「おーこわ」
隣の席の二宮くんがからかうように笑う。
分かってて言ってるんだから、もう。
ジトっと睨めば肩をすくめてもう一度「こわ」なんて口にしてる。
「つかさ、あれってこないだお前も食べたいって言ってたよな」
「……、よく覚えてたね」
私は驚いて目をぱちくりしながら二宮くんを見た。
二宮くんは得意げな顔をする
「まあな。俺とお前の仲だから」
「どんな仲よ」
何を言うのかと思えばさっきの高田さんのマネらしい。
私が今度こそため息を吐くと二宮くんが「悪い悪い」なんて軽く言いながら私の顔を覗き込んだ。
「今度食いに行くか。同期会ってことで」
「二人で？」
「そう、二人で」
ピースのように指を立てる二宮くん。
私は二宮くんと一緒に出掛けるところを想像した。
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iCHiKA(プロフ) - tubinさん» コメントありがとうございます！そして、嬉しいお言葉をありがとうございます！お楽しみいただけたとのこととても光栄です。今後もお楽しみいただけるよう頑張らせていただきますね！ (2021年8月24日 20時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
tubin - すごくおもしろかったです！！ 無中になって読んでました!! 続きがすごく楽しみです!! 応援してます!! これからもがんばってください！！ (2021年8月22日 20時) (レス) id: 73a03e30c5 (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - にゃんちきさん» にゃんちき様、いつもありがとうございます！糖度高めを目指して頑張ったお話でしたが、お役に立てたようで良かったです。こちらこそご賞味ありがとうございました。 (2021年8月21日 20時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちき(プロフ) - 最近疲れ気味だった私には翔さんの甘さが最高のご褒美になりました。ご馳走様でした( ´ω` )/ (2021年8月19日 19時) (レス) id: 64ed16a329 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2021年8月15日 14時
