Bang！【逆先夏目】 (ページ2)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:5,173 hit

2. ページ2

「Aのクラスに逆先くんっているでしょ？」

「うん、いるね」

「この前の模試1位だったらしいよ」

逆先くん。昨日の彼の行動がフラッシュバックしてしまった。結局真意もわからないまま、一日が経った。

「へぇ、なんか前もそうじゃなかったっけ」

「そうそう。殆どあの子が1位だよ。あれで頭もいいとか天は二物を与えずどころか与えすぎだよね」

「確かに」

模試が返却される時となると、順位の話があちらこちらで聞こえるようになる。

可もなく不可もなく、な私からすればふーん、って感じなんですが。

「あ、今日最後の委員会があるの。たぶん30分ぐらいだから待っててくれない？」

「いいよ。図書室でいるね」

部活も引退している人もちらほら見受けられる。かくいう私も先日引退した。ひたすら受験に向けて勉強。高校3年生とはそういうものなのだろう。

「じゃあ宿題出しまーす」

世界史の先生が高らかにそう宣言した。もう文句を言う人はいないが、なんとなくみんな肩を落としている。

この先生結構出すんだよな宿題。

とか思いながら窓の外を見ようとすると、綺麗な姿勢で、でもこっそり机の下で足を組んでいる逆先くんが目に入った。

あぁ、また思い出してしまった。けど仲良くもないしわざわざ聞くことも出来ない。勉強に集中出来ないじゃん、と内心毒づきながらクリアファイルを取り出した。

進路希望は真っ白なままだ。