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13.黒い渦 ページ13

「随分機嫌いいじゃん」
「トモちゃん!」

部屋に入ると、わたしのベッドの上にトモちゃんが座っていた。話を聞くと、どうやら私たちの結果を聞いて、お祝いを言いに来てくれたらしい。相変わらず優しくて、よく気の回る人だと尊敬する。

「あんたたちが誰よりも努力してたの知ってたからさ、それが結果に出て本当に良かったって思うよ」
「ありがとう」
「来栖とも仲良くなったみたいじゃん」
「そうかな」

そうだよ、と呟いてから、トモちゃんはわたしの頭をくしゃっと撫でて微笑んだ。

「ほんっとーに心配だったんだぁ、あんたのこと」
「......えっ?」
「だけど、今回のテストを通してさ、来栖もそうだけど、春歌とか一十木とか、あんたのこと支えてくれる人が沢山出来て、なんていうか......安心した」
「トモちゃん。ありがとう」

そんなに自分のことを考えていてくれたのかと、改めてトモちゃんという人間の心の広さに感動してしまう。

トモちゃんがデビューしたら、ほんとにほんとに宇宙で一番のファンになるからね。そう心の中で固く決心をして、顔を上げた瞬間だった。トモちゃんの座っている場所のすぐ近くに、綺麗に包装された箱が置いてあるのを見つけた。わたしの視線を辿り、箱を見つけたトモちゃんが、あぁ、と小さく声を洩らす。

「これね、あたしが部屋に来たときにはもう置いてあったよ。なんか包装紙からして高級そうだし、もしかしたら先生とかからじゃない?」
「まさか」
「そうかもしれないじゃん。それに、違ったとしても、こんな丁寧な贈り物もらうなんてやるじゃん、A。ね、早く開けてみなよ」
「トモちゃん、中みたいんでしょ」
「当たり前でしょ! ほら、早く!」

そう急かされたので、二人の間に箱を置いて、包装紙を丁寧に剥ぎ取っていく。あらわれた木箱の蓋を開けた瞬間、目に飛び込んできた光景に、わたしは思わず双眸を見開いた。飛びついてきたトモちゃんに目を覆われる。

「......な、なに、これ」

目の裏に映る残像に心臓が激しく鼓動していた。一番上にあったのが、切り裂かれたわたしの写真。その下に来栖くんの写真。春歌ちゃんの写真。その他にも、わたしの大好きな人たちの写真がたくさん切り裂かれて散りばめられていた。

嫉妬、憎しみ、恨み。

自分に向けられている感情が大量に流れ込んできて、息ができない。わたしはそのまま感情の波に呑まれ、窒息するように真っ暗な意識の中へと引きずり込まれていった。

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(プロフ) - ラビットハッチさん» コメントありがとうございます! 本当ですか! とっても嬉しいです〜! こちらこそ、ありがとうございます!! 励みになります! (2016年12月19日 3時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
ラビットハッチ(プロフ) - わー!ずっと待ってた甲斐がありました!すごい環さんの作風が大好きで、更新されるのを今か今かと待ってました!更新ありがとうございます! (2016年12月19日 1時) (レス) id: 7cb82700e8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 翔くん大好き!!さん» コメントありがとうございます^ ^ 励みになります! 更新頑張りますね!! (2015年7月25日 10時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
翔くん大好き!! - 面白くてこの作品大好きです!!更新頑張ってください!! (2015年7月25日 9時) (レス) id: dca90fa2b6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 夢さん» コメントありがとうございます^ ^ そういっていただけると、すごく嬉しいです〜!! 更新頑張ります! (2015年7月14日 22時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2015年3月10日 0時

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