６.幼馴染み ページ6
どうやら来栖くんは風邪を引いたらしい。
放課後、そう一十木くんに聞かされたわたしは、しょうがなく踵を返して図書室へ足を運ぼうしたが、それは後ろから伸びてきてた手によって阻止されてしまった。
「......一十木くん？」
一十木くんはくるりと回転させてわたしの両肩を掴むと、何故かすごく真剣な眼差しでじっと見つめてくる。何か言いたいことがあるのかな、と見返していると、一度下を向いて深呼吸してから、勢いよく顔を上げてくっつきそうなくらい近づけてきた。
「あのーーー...」
「お願い、Aちゃん！翔の看病してあげてよ、ペアでしょ？」
「いや、ペアだからってそんな...って、わぁ！お、一十木くん、どこ行くの？手離して」
「離さない。死にかけてる翔のとこに連れてくまでは！」
「ーーーえ！？」
重症さを匂わせる音也くんの言葉に、わたしは抵抗していた手を静かに下ろした。そういうわけなら、ペアじゃないとしても助けなきゃだ。
大人しくなったわたしを見て、ホッとしたように微笑んだ一十木くんと目を合わせる。
「......行こう」
それからふいに真剣な表情に戻ったその顔を見てから、わたしも力強く頷いた。
＊＊＊
「翔ちゃん！僕が作ったお粥食べなきゃダメですよ〜」
「おい、やめろ那月ィィ！！」
「あー！！ダメだってば那月、ほら翔が泡吹いてるじゃんもう！」
ーーー死にかけてるってこういう...那月の料理のせいかよ。
久しぶりに見る、もう一人の幼馴染みにジトーッとした目を向けながら、わたしは小さく溜息をついた。
料理なら一十木くんと同室らしい一ノ瀬くんあたりが作ってくれるだろうし、わたしなんて別に来なくても良かったんじゃん。
しかし、三人がギャンギャン騒いでるうちに帰ろうと、そっとドアの付近に近づこうとしたとき、突然背中に感じた温度と首にまわされた腕。その懐かしい感覚に驚いて、思わず足を止めた。
「わぁ、Aちゃんじゃないですか！久しぶりですね！」
「なつーーー...四ノ宮くん」
抱きついてくる人物にそう言って顔を見ようと振り向いた瞬間、珍しく動揺した表情を浮かべている四ノ宮くんと目が合った。
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環(プロフ) - ラビットハッチさん» コメントありがとうございます！ 本当ですか！ とっても嬉しいです〜！ こちらこそ、ありがとうございます！！ 励みになります！ (2016年12月19日 3時) (
レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
ラビットハッチ(プロフ) - わー！ずっと待ってた甲斐がありました！すごい環さんの作風が大好きで、更新されるのを今か今かと待ってました！更新ありがとうございます！ (2016年12月19日 1時) (レス) id: 7cb82700e8 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 翔くん大好き！！さん» コメントありがとうございます^ ^ 励みになります！ 更新頑張りますね！！ (2015年7月25日 10時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
翔くん大好き！！ - 面白くてこの作品大好きです！！更新頑張ってください！！ (2015年7月25日 9時) (レス) id: dca90fa2b6 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 夢さん» コメントありがとうございます^ ^ そういっていただけると、すごく嬉しいです〜！！ 更新頑張ります！ (2015年7月14日 22時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：環 | 作成日時：2015年3月10日 0時
