7.合同合宿 ページ7
「キャプテン、わたしそんな話聞いてないんですけど!」
「おう。だってサプライズにしようと思ってたからな、秘密にしてたんだよ」
「マネージャーぐらいには言ってくださいよ!」
今日から待ちに待った合宿。しかし、それはただの合宿ではなかった。ーーー合同合宿だったのだ。それも、桐皇との。
これは由々しき問題だ。わたしのマネージャー生命に関わる。
どうしようかと焦っていると、目の前にいる桐皇のメンバーの後ろに立っている大ちゃんと目が合った。大ちゃん、一緒に住んでるんだから何か言えよ!という意味を込めて睨んだが、欠伸して返されたのを見て、多分何も考えてないんだろうな、と脱力する。
「今回の合宿は二日間と短いが、桐皇との貴重な合同合宿だ。精一杯取り組めよ」
はい、と大きな返事が響く。満足そうに頷いた笠松先輩は、それからわたしを含めた一年生を呼び出した。
「部屋の割り振りなんだが、部屋が足りないんだよ。だから、マネのAは俺か森山と同室が妥当だろう。そして他の部屋は俺が割り振っておいたからこのプリントで確認しとけ」
わたしが女子だと知っている二人と同室なのが一番安全だというキャプテンは判断したんだと思う。ありがたい、感謝だ。
一年生がプンリトに目を通したのを確認してから、異論はないな、と念を押した笠松先輩。すると、わたしの隣にいた人物が手を挙げた。
「...どうした、黄瀬」
「Aクン、俺と同じ部屋にしよ」
「はい?」
黄瀬くんの不可解な言葉にわたしと笠松先輩が顔を顰める。
「なんだ唐突に。とりあえず理由を言え」
「俺より先輩たちとAクンが仲良くなるの嫌なんスもん」
「...女子か」
首を横にふるキャプテンにヤダヤダと駄々をこね始めた黄瀬くん。こないだから思ってたけど、黄瀬くんは意外と子供っぽい。
「しつけーな!わかった、わかったから黙れ」
「え、笠松先輩!頷かないでください!」
「......Aクン、同室よろしく」
あまりのしつこさに降参した笠松先輩が頷いたのが最後、わたしは黄瀬くんと同室になってしまった。
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環(プロフ) - たくっちさん» コメントありがとうございます〜!! そう言っていただけると嬉しいです! ほんとにありがとうございます!! (2015年12月29日 22時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
たくっち - めっちゃ良い話じゃないですか。感動しました!これからも感動するような作品よろしくお願いします。応援してます! (2015年12月27日 18時) (レス) id: 14821b434b (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 朱いメダカ@ペンタブ禁止令さん» コメントありがとうございます^ ^ そういっていただけると、すごく嬉しいです〜!! ありがとうございます! (2015年5月12日 0時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
朱いメダカ@ペンタブ禁止令(プロフ) - 今日読み始めて一気に最後まで読んでしまいました!!凄くキュンキュンして泣けて…凄く面白かったです!! (2015年5月11日 23時) (レス) id: edbb06b586 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - にょんさん» コメントありがとうございます^ ^ ほんとですか!? すっごく嬉しいです、ありがとうございます!! (2015年5月7日 23時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:環 | 作成日時:2015年2月15日 11時