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8.姉妹 ページ8

見ている。すごく、見つめられている。

コートを挟んで真向かいのベンチに座っているお姉ちゃん。練習試合の様子を見て集めたデータをメモすることに集中しようとしても、気が散ってしょうがない。ーーーまさか、バレてる?

髪型がショートだとはいえ、わかる人にはわかるはずだ。しかも、いつもは男子用のブレザーを着ているのに対して、今はジャージ。バレてても不思議ではない。

なんて思っていると、勢い良く立ち上がったお姉ちゃんを視界の隅に捉えた。それから、ズンズンこちらに向かって歩いてくる。

ーーーやばい、来る!!

「...Aくん、だっけ?海常のマネだよね?」

ギュッとシャーペンを握りしめていると、頭上から聞こえてきた声にそっと顔を上げる。懐かしい顔にホッとする反面、バレるかもしれないという焦りで目が泳いでしまう。

「...はい」

震える声を絞り出してそう言えば、お姉ちゃんはふわりと優しく微笑んだ。そして、スッと手を伸ばしてーーー、

「カワイイーー!きーちゃん、なにこの子!テツくんみたい!カワイイ!」
「はぁ?黒子っちと一緒にしないでよ!Aクンのどこが可愛いんスか!」
「く、るしいです...!」

ギューッと思いっきり抱き締められながら、肩を押して精一杯の抵抗を見せる。そういえば、小さい頃はこうやっていつも抱きつかれてたななんてふと思い出す。

「あっ!ごめんね!わたし、桐皇のマネージャーの桃井さつき。よろしくね、Aくん!」

ニコッと笑うお姉ちゃん。気付かれなかったことに安心したけど、少し悲しかった。

ーーーお姉ちゃんはわたしがいなくて寂しくないの?黄瀬くんが探してる誰かみたいに、わたしのこと探してくれないの?

自分勝手だと思うけど、そう思わずにはいられなかった。だから、悔しさのあまり下を向いていたわたしには、お姉ちゃんが振り向く瞬間に見せた、涙の溜まった寂しそうな表情に気づかなかった。

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設定タグ:黒バス , 黄瀬涼太 , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - たくっちさん» コメントありがとうございます〜!! そう言っていただけると嬉しいです! ほんとにありがとうございます!! (2015年12月29日 22時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
たくっち - めっちゃ良い話じゃないですか。感動しました!これからも感動するような作品よろしくお願いします。応援してます! (2015年12月27日 18時) (レス) id: 14821b434b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 朱いメダカ@ペンタブ禁止令さん» コメントありがとうございます^ ^ そういっていただけると、すごく嬉しいです〜!! ありがとうございます! (2015年5月12日 0時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
朱いメダカ@ペンタブ禁止令(プロフ) - 今日読み始めて一気に最後まで読んでしまいました!!凄くキュンキュンして泣けて…凄く面白かったです!! (2015年5月11日 23時) (レス) id: edbb06b586 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - にょんさん» コメントありがとうございます^ ^ ほんとですか!? すっごく嬉しいです、ありがとうございます!! (2015年5月7日 23時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2015年2月15日 11時

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