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「Aちゃんって、高尾くんの幼馴染みなんだね」

高尾くんから聞いた、と得意げに微笑む小夜ちゃんにぎこちなく微笑み返す。言い方からして、返事は求めていないらしい。昨日からずっとこの調子で引き留められては、毎回高尾くんの話をされて少し、いやかなり戸惑っている。

昨日の宣戦布告もあったし、途中経過の報告、とかなのかな。よくわからないけど。

「幼馴染みなのに、意外と仲良くないんだ。言われるまでわかんなかったよ」
「ま、まぁね」
「なんか幼馴染みなの知られたくなかったみたいだし...って、あ!ごめんね。言うつもりなかったんだけど」
「...うん。大丈夫」
「高尾くんは優しいから、Aちゃんのこと嫌いとかじゃないと思うよ」

高尾くんが優しいことなんて、小夜ちゃんよりよく知ってる。出会って数日のくせに、自分のものみたいに言うな。

そう言いたかったけど、まるで高尾くんの取り合いみたいな醜い茶番にこれ以上なるのが嫌で、下を向いて口を噤んだ。

それからまた再開したらしく、上から聞こえてくる話に、何か打開策はないかと悩んでいると、近くに感じた気配にそっと顔を上げた。

「......た、かおくん?」
「ーーー上坂じゃん」

わたしのことなんか見えてないみたいに、小夜ちゃんに笑顔で話しかけた高尾くん。なんで、と思わず口に出そうになった言葉を必死に飲み込んだ。

「あ、高尾くん!あのね、今日からわたし、バスケ部のマネになったの!一番に高尾くんに言いたくて来ちゃった」

ーーーえ?

それから小夜ちゃんが見せた満面の笑みと聞こえてきた言葉に、サーッと血の気が引いていくのを感じる。おそるおそる目を動かせば、チラリと視界に映った高尾くんも同じような笑顔で。

昨日から胸の中に潜む漠然とした不安が、むくむくと大きくなっていくのを感じた。

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設定タグ:黒バス , 高尾和成 , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 豪炎寺いちごさん» ほんとですか!すごく嬉しいです^ ^ わかります。しんちゃんのツンデレ個人的に好きです!あと、アニメとか見てると、秀徳のメリハリあるけど、あったかい感じにぐっときます!笑 (2015年2月19日 21時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺いちご(プロフ) - 環さん» 更新されていてすごく嬉しいです!!嬉しいと思っていただいて嬉しいです(笑)しんちゃんのツンデレ感がすごくいいです!! (2015年2月19日 21時) (レス) id: fd2b97f491 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 豪炎寺いちごさん» そうなんですね^ ^ 改めてそう思うと、めっちゃ嬉しいです〜〜〜!わたしも気の合う人に出会えて嬉しいです! (2015年2月19日 19時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺いちご(プロフ) - 環さん» すごく好きな作品にするだけで、基本的コメントはしませんからね(笑)やっぱり大好きな作品の作者には好かれたいので(笑)気が合う人と出会えたことは今日一番の幸せです! (2015年2月19日 19時) (レス) id: fd2b97f491 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 豪炎寺いちごさん» わたしも思いました!いちごさんありがとうございます!!! (2015年2月19日 19時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2015年2月15日 11時

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