15.仲直り ページ15
「あ」
「あ」
あれから仲直りしたものの、翔くんとは実はまだ少し気まずかったりする。でもそれは、向こうも同じみたいで。さっきから微妙な雰囲気が二人の間を流れていた。
「あ、あのね、翔くん!ケン王見たよ!龍也先生と翔くん、すごく二人ともかっこ良かった!本当にすごいねっ!」
「マジで!?見てくれたのか!?」
「うん!続編、楽しみにしてるから!頑張ってね!」
「お、おう!」
...良かった。結構気まずくないかも。でも、そう言って翔くんが大きく体を使って頷いた瞬間。
「翔ちゃぁあああああああんっ!」
「な、那月!?」
どん、っという一瞬大きな衝撃があってから、体が大きく傾いて、思わずつぶってしまった目をゆっくり開くと、目に入った光景に目を疑った。
「「!」」
至近距離には、目を見開いている翔くんの顔...とその背後には天井。そして、背中に感じた冷たさと顔の横におかれた翔くんの手。...今の状況を理解するのに時間がかかった。
これは、いわゆる押し倒されてるというやつ?
「ご、ごめん。い、今どくからさ...。怪我とかしてねーか?」
「う、うん」
...さすがに近すぎる距離に、お互いに顔があかくなっていくのを感じて尚更恥ずかしくなる。
「小さくて可愛い二人が廊下でイチャイチャしてたら、僕も仲間に入りたくなっちゃいますよ!二人ともかわいいです!仲直りのギューーーっ!」
そんなこともお構いなしに、なっちゃんはわたしと翔くんをまとめてギューっとしてきて。さらにピタッとくっついてしまった。
「イチャイチャなんかしてねぇだろ!おい、離せよ那月ぃ!」
く、苦しい...。恥ずかしさと、なっちゃんの力が強すぎて意識が飛びそうになっていると、ふいに視界に入ってきた綺麗な色の髪の毛に思わずホッとする。
「...何してるの?」
「あ、藍ちゃん...!た、助けて...」
途切れ途切れに助けを求めれば、面倒そうに溜息をついてからこちらに来てくれた。
「ほら、行くよ」
そのままわたしの腕を、なっちゃんに勝る握力で引っ張ると、満足気に頷いた藍ちゃん。
「は!?あ、藍、俺は?」
「知らない。自分でなんとかしなよ」
「はぁあああああああ!?」
「翔ちゃんギューーーっ!」
翔くんのことを気の毒に思いながらも、仲直り出来て幸せな気持ちでいっぱいのまま、藍ちゃんと二人でその場を後にした。
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☆白いちご☆(プロフ) - わかりました! (2014年11月12日 18時) (レス) id: 7b63d19b57 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - ☆白いちご☆さん» はい!わかりました^ ^ 白いちごさんのリクエストに応えられるよう頑張ります!!こちらこそ本当にありがとうございました!!また何かあったら教えてくれると嬉しいです!! (2014年11月12日 13時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
☆白いちご☆(プロフ) - ありがとうございます。 とても、楽しみにしてます! オチは、誰でもいいです。今から、ワクワクしてきました。 (2014年11月11日 21時) (レス) id: 7b63d19b57 (このIDを非表示/違反報告)
環(プロフ) - 了解です!春くらいになるとおもうんですけど分岐点作って別な話書かせていただきます^ ^ オチはそのままかヘブンズの誰かかなと思ってるので、もし何かあったら教えていただけると嬉しいです!こちらこそリクエストありがとうございました!すごく嬉しかったです!! (2014年11月11日 19時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
☆白いちご☆(プロフ) - はい。嶺ちゃんやレンみたいなやつです。オチ相手は、誰でもいいです。ヘブンズに移動してから幸せにの、シーンを書いてくれると、もっと、嬉しいです。また、わからないことあったら、聞いてください。こんな私に親切にありがとうございます。 (2014年11月11日 17時) (レス) id: 7b63d19b57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:環 | 作成日時:2014年4月2日 15時