芸術科の問題児

11話 ページ13

「止めなさい」
「痛⁉」

亜美にチョップされた
物事が上手く行かないからといって、暴力で訴えるのはどうかと思う

「…亜美って本当に女?」
「黙らっしゃい。というかAだけには言われたくなかった…‼」
「きみも結構酷いこと言うよね」

私が女らしくない、ということはわかりきっているけど

私には芸術さえあればいいのだ
それで一回死にかけたけど☆

「とりあえず、他のところも回るよ。まだ一個しか行ってないんだから‼」
「えー、どうせまた会えるよ?瀬名先輩、だっけ」
「そうだよ‼Aのせいで瀬名先輩との夢の時間が失くなっちゃったじゃん‼」

そう言って私の胸ぐらを掴み、揺らす亜美

…こいつ、私の話聞いてた?

少しして、私の話を理解したようで、手を止めた
気持ち悪い。酔った

もう少し早く解放してほしかったなぁ
…前もこんなことがあったような?

「さっきの話、どういうこと」
「…言ってなかったっけ。私と亜美、プロデュース科に入るって…」

どうやら伝えるのを忘れていたみたいだ
でも最終的には伝えられたし、結果オーライだよね

「…おーい、亜美?」

硬直している亜美に声をかける
それで我に返り、叫んだ

「それを早く言ってよ、バカヤロー‼‼」

今酔ってるのに、大声で叫ばないでほしい

そんなことを呑気に考えながら、彼女の木霊する声を聞いていた

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