quarante-sept ページ48
『でも、私は私に出来ることをしなくちゃ』
私はそう言い切り、ハグリッドの部屋を飛び出した。
広い庭をずんずんと歩いていく。暫くそうして、私はシリウスに今日の分のご飯を届けていないことに気づいた。
『……何やってんだか』
自分のことばかり精一杯だ。
私は急いでキッチンに行き、屋敷下僕に頼んでパンや生ハムを持ってきてもらった。
そして、できかけの教授へのクリスマスプレゼントをポケットに突っ込んで、クィリナスを探す。
そういえば、最近彼を見かけない。どこに行ったんだろう。
『クィリナ……』
ク「ああ、A！！」
後ろから草臥れた声が聞こえた。
『クィリナス？どこいってたの？』
ク「シリウスの話し相手ですよ……」
私はそれに吹き出した。
『気に入られてるじゃん』
ク「もううんざりです……さっさと食料運んで、さっさと帰りましょう！」
クィリナスが唸るように言って、私は少し笑いながら彼の背に乗った。
いつもの幽霊屋敷に着くと、シリウスが犬の姿のまま走ってきた。
彼は目の前まで来てやっと元の姿に戻った。
シ「A！クィリナス！今日は何だ？チキンか？」
『残念生ハムでした』
私はぽーんとバスケットを投げた。シリウスは口を窄めつつも、すぐに礼を言った。
彼が夢中になって食べている間、私とクィリナスは適当に腰掛けて話すことにした。
『なぁ、端っこ持ってて』
ク「ここ持つだけでいいんですか？」
『うん』
彼に結わえた紐の端を持たせ、残りを編み始める。
指をくぐらせたところで、突然背中に重みを感じた。
『うわっ！？何！？』
シ「何をしてるんだ？」
『……好きな人にクリスマスプレゼント』
私がぼそっと言うと、クィリナスがニヤニヤしだした。叩きたくてたまらない。
シリウスが「ふーん」と呟き後ろから覗き込む。
『ま、私もあなたと同じはぐれ者だからね。上手くいく可能性は1ミリもないんだけど』
私がぽろっとそれを言うと、シリウスは少しだけ口元を緩ませた。
シ「なら、はぐれ者同士で仲良くするか？」
『ハハ、つまらん冗談』
シ「分かっているよ。すまない」
シリウスはけらけらと笑った。
シ「もしかしたら久しぶりに人と話せて嬉しいのかもしれないな」
ク「私のことを忘れてませんか？」
シ「君は鷲だろう？」
クィリナスがあからさまに顔を顰めて、私は笑った。丁度その時、私は紐を結わえ終えた。
シ「……ハリーに箒をプレゼントしようと思うんだ」
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あんず - 初めまして。私もスネイプ大好きです！仕事の合間にニマニマしながら見てます(笑)素敵過ぎる作品に感謝です！これからも頑張ってください！！ (7月4日 21時) (
レス) @page8 id: a382905644 (このIDを非表示/違反報告)
あんず - 初めまして (7月4日 21時) (レス) @page8 id: a382905644 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー - すっごく面白くて、続きが気になって、ここまで一気に読みました！寝不足です笑 この先もすごく気になるし、どんな結末を迎えるのかワクワクしながら読み進めますね！これからも楽しみにしてます！私もセブルス大好きです！素敵な作品をありがとうございます！ (2022年4月5日 23時) (レス) id: 6477d40512 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - はじめまして。とらんとぬふのページで思わず泣いてしまいました…笑 占ツクで泣いてしまうなんてと思ったけど、本当に心動かされました。この小説に出会えて良かったです。スネイプ先生への愛が増しました笑 心からありがとう！！ (2019年9月19日 14時) (レス) id: 1e7e266fc1 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - 第一部隊さん» とっっっても嬉しいです！笑 頑張ります！！！ (2017年12月30日 23時) (レス) id: 19fb53cdaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：O
| 作成日時：2017年10月7日 16時
