trente-deux ページ33
ル「マクゴナガル先生から聞いたよ。気にしてはいないだろうね？」
ハリー「はい」
ハリーは強く頷いた。それから、ずっと気になっていること───何故、ルーピン先生がハリーとボガートの対決を止めたのかを聞いていた。
私はそれを、かけたカップに入った紅茶を飲みながらぼんやりと聞いていた。
ハリー「───先生、吸魂鬼の話ですが…」
ハリーがそう切り出した時、コンコン、とノックが聞こえた。ルーピン先生は話を中断して、どうぞと短く答えた。
ドアの方に目をやると、セブルス教授だった。
私はとりあえず頭を下げたが、彼は眉を顰めて私を見た後、さっさとルーピン先生に薬を持っていった。
ル「ありがとう、セブルス。そこに置いておいてくれ」
私は少しテーブルに乗り出して、ルーピン先生に小瓶を手渡した。
ル「これは？」
『それを入れたら、薬を甘くして飲めますよ』
私がにっこり笑って言うと、彼は目を丸くした。
ル「本当かい？……夢みたいだ」
彼の声が私の心臓を締め付けるみたいだった。嬉しさがぎゅっと詰まっているように聞こえたのだ。
こういう道に進むのもいいかもしれない、と思っていると、首根っこをぐいと引っ張られる。
セ「何故お前が此処にいる」
私は首を傾げて彼を見上げた。
『ホグズミードに行けなくて…』
セ「ここから戻れ」
『は？』
私は素っ頓狂な声を上げた。
彼は私の首根っこから腕に手を移すと、無理やり引っ張った。
『痛っ！！どうしたんですか！』
教授は何も言わずに私を連れて部屋を出ようとした。
振り返ると、ルーピン先生とハリーが動揺した目で私を見ている。
ル「セブルス…」
ルーピン先生が声をかけたのを無視して、教授は私を乱暴に引っ張ったまま部屋を出た。
私が振り払おうとしても、腕を千切られるのではないかという強さで握られていて、つられて歩くしかない。
『───離してください！』
痺れを切らした私はついに怒鳴った。
『あなたはいつから私の私生活まで監視するようになったんですか！』
教授の肩がびくっと震え、歩くのをやめた。私は教授の手を振りほどいた。
彼がくるりと振り返る。
セ「あぁやって人に媚を売るのはお前の癖か？」
私は目を丸くした。
『私は一度も媚を売ったことなど…』
セ「休みに色々な教師の部屋行くことは違うのか？」
教授は何を言っているんだ。彼が顔を歪ませて私に怒鳴っている理由が何一つ分からない。
私の中で何かがプツンと切れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1132人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんず - 初めまして。私もスネイプ大好きです！仕事の合間にニマニマしながら見てます(笑)素敵過ぎる作品に感謝です！これからも頑張ってください！！ (7月4日 21時) (
レス) @page8 id: a382905644 (このIDを非表示/違反報告)
あんず - 初めまして (7月4日 21時) (レス) @page8 id: a382905644 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー - すっごく面白くて、続きが気になって、ここまで一気に読みました！寝不足です笑 この先もすごく気になるし、どんな結末を迎えるのかワクワクしながら読み進めますね！これからも楽しみにしてます！私もセブルス大好きです！素敵な作品をありがとうございます！ (2022年4月5日 23時) (レス) id: 6477d40512 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - はじめまして。とらんとぬふのページで思わず泣いてしまいました…笑 占ツクで泣いてしまうなんてと思ったけど、本当に心動かされました。この小説に出会えて良かったです。スネイプ先生への愛が増しました笑 心からありがとう！！ (2019年9月19日 14時) (レス) id: 1e7e266fc1 (このIDを非表示/違反報告)
ユーレイ(プロフ) - 第一部隊さん» とっっっても嬉しいです！笑 頑張ります！！！ (2017年12月30日 23時) (レス) id: 19fb53cdaa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：O
| 作成日時：2017年10月7日 16時
