立花彩の弟は姉ラブを拗らせたようです。

消えた自転車 33 ページ34

「秀明からこの工場に来るには2つの道があるんだけど両方とも舗装道路と水ハケの良い道ばかり
ところがこの自転車には泥がついてるということは水ハケの悪い市外北部を通ったということ」

と言い小塚は地面に簡単な地図を描いて地図の上に市内と描き、東西南北がわかるようにし、南の方に野村グラウンド、北の方には秀明グラウンドを書き込み、秀明グラウンドの周り一帯をぐるりと円で囲んだ

簡略化された地図でもわかりやすいな

「この辺が水ハケの悪い地域ね。上杉交代」

立ち上がった小塚からバトンを渡された上杉が地図の前にしゃがみ込む

「この地域は秀明とこの工場を繋ぐ二本の道からは離れている。
なぜ犯人はわざわざ行ったか、それは人目の付かないところで車を止め、自転車を外す必要があったからだ。
人目につかず、工具も置いてあり、安全な場所。それはどこだと思う？」

黒木が静かに言った

「自宅のガレージの中だ」

「当たり。つまり犯人は北部地域のどこかに住んでいるんだ。だが北部地域には住宅地が１少ない。ただ一つあるのは」

若武が突っ込むように叫ぶ

「新田町のビバリーヒルズだ！」

えーと、確かビバリーヒルズは2年前にできた高級住宅地だったよな
そこ一帯が外国のように美しく整備されてるそうだ。
外国ってどこあたりだよと突っ込みたくはなるけど

「自転車をバンパーの下にめり込ませて走れば車は壊れる。それを承知で走らざるおえなかった。
つまり犯人は新田町に住んでいて壊れた緑色の外車を持つ人間でその日は相当忙しかったヤツだ」

きっぱりと言い切っり上杉が口をつぐむと若武がギラリと目を光らせた
「探し出してやる！」

外車ってことは相当高いだろうに
それが壊れても構わないくらい忙しいってどんだけよ

若武の言葉に黒木は頷く

「ひばりーヒルズなら全部で32戸だ。片っ端から車庫を覗いていってもそう時間はかからないはずだ」

彩も頷く
「犯人を捕まえるのよ」

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