立花彩の弟は姉ラブを拗らせたようです。

消えた自転車 15 ページ16

side空也

「それと俺ら、関係ある？」

呆れながら聞くと若武は

「それはお前らは俺の仲間だか」

まで言って言葉を飲み込み彩をじっと見てから言った

「ごめん、帰っていいよ」

若武はそれだけ言って悲しそうにポッケに手を入れて
階段を1人で上っていった

それを見た彩は後悔したらしく

「ねえ、空也、若武を追いかけよ」

そう言って俺を置いて階段を上がっていった

待てよってもういったし

はぁ、彩が行くんなら俺も行こ
俺は彩を追いかけた

「声明文書く気になった？」

廊下の壁に寄りかかったポスト野郎が聞いてきた

やっぱ、作戦だったか

「書くよ」

「彩が書くなら俺も書く」

「ただし、人を騙すのはやめてよね」

彩がふてくされて言った

ふてくされた彩、可愛い…

「え、俺、騙してないぜ」

若武はいたずらっ子みたいに笑った

クソ、ぶん殴りたい

「行こ」

さっさと歩き出した若武を彩と一緒に追いかけた

「どんなの書けばいいの？」

「そうだな…」

そう言って若武はポッケに手を突っ込んだ

「よし、こうしよう」

若武は指パッチンをしながら言った
その仕草、いるか？

「犯行現場に掲示するから、思いっきり厳しいのがいい」

ほう

「まず、犯人に告ぐ、だ。そして、反省して俺のバイクを返してきたらよし
返さなかったら酷い目にあうぞ。こんな感じかな
細かい言葉使いとか言葉表現はお前らに任せる」

はぁ？

「それ、本気かよ」

「ああ」

俺は呆れてしまった
こいつ、馬鹿かよ

犯行現場に犯行声明貼ってそれをみた犯人がのこのこと
盗んだものを返しに来るわけがないだろ
のこのこと返しに来るくらいなら盗まねえよ

「無駄じゃない？」

「他にいい方法でもあんのか？」

若武はちょっとキレながら聞いてきた

知らねえよ、んなもん

「だろ？とにかくなんでもやるんだよ
あのバイク、すげえ長いあいだ親に頼んでようやく買ってもらって昨日届いたばっかなんだぞ。今日が初日だったのに」

自業自得だろんなもん

「俺ん家は一番遠いんだ！」

あっそ

「クッソ、犯人見つけたらこ ろしてやる」

そんな簡単にこ ろすとか言っちゃダメなんだよー(棒)

「見つかるといいけどねぇ」

彩が思わず言った言葉にポスト野郎は

「お前なぁ、協力する気あんのか！？」

ないね。俺は彩が協力するっていうからするだけだ

「協力するけど、あんまり希望は持たない方がいいと思うよ」

彩に激しく同意

「俺は見つけるぞ！必ず！」

威勢のいいことで

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