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「へぇ、それでここにいるわけ?」


『はい』


「すごいな、未だその熱健在してるのか」


昨日からトントン拍子で事は進み、私は今親愛なる先輩の硝子さんの仕事場にいる。


携帯とその他諸々の服まで買ってもらって、来たのはかつての学び舎。


補助監督としての手続きを済ませる為だ。


しかしいつの間にか五条先輩とははぐれ、それで彷徨ってるところを硝子さんに見つかり、医務室まで案内してもらった。


『ホントですよ!
明日の夜には密入国の貨物船に乗せられ、人身売買に出されるのではとか考えると震えが止まらなくて』


「100%無い。」


『分からないじゃないですか!
あんなに塵芥を見るような目で見てきてた癖に、突然優しくなったりもするんですから...』


「...バカって可哀想だな。」


『え!?』


「いや、五条の方。」


硝子さんは手元の資料を眺めたあと、机に揃えて置くと退屈そうに欠伸をした。


「Aは勘違いしてるみたいだけど、
五条ってあんたのこと好きなのよ。」


『...え?ちょ、え、硝子さん分からない!どういうことですか?』


好き?...スキ?


頭の中を?が巡って理解が追いつかない。


「あまりにも五条(バカ)が気の毒だから言っちゃった...。内緒ね?バレたら殺される。」



『....いや、信じられません。
だって好きな子にデブだの雑魚だのダサいだの言いませんもん。』



「それは大人の恋愛の話。当時の五条は恋愛に関してガキと同レベルだったから例外だよ。
小学校の時とか居たでしょ?やーいブス!とか言ってその子のことめっちゃ好きな男子。」



『...居ましたね。』



「それ。だからどうしろとは言わないし、あいつが傷付けたのも事実だからね。Aが嫌悪感持つのは当たり前だ。

けど、出来れば"今の五条"と接してやってくれ。」



手元の資料に視線を落としていた硝子さんは、私の方に顔を向けニコッと微笑んだ。


突然そんなことを言われて、理解も追いついてなければ、五条先輩に対する気持ちに変化もない。


けど、硝子さんのこの感じからして本当にそうなんだろう。


五条先輩が...私を好き?


「おっまた〜!」


ガラッと扉を開けて何も知らない陽気な五条先輩が入ってきた。


理解は、出来ないけど...



「何話してたの?」



「別に」




ちょっと嬉しいのはなんで?

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しらす - 面白いです!応援しています♪ (2021年3月3日 4時) (レス) id: 0909f67dda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菜の花 | 作成日時:2021年2月8日 19時

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