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「帳」
『はい!』
五条先輩の貴重な練習シーンを見てしまってから、1ヶ月。私の呪術師に対するモチベーションも一気に上がった。
そして、今日。私はものすごく舞い上がっている。
何故なら今日は、五条先輩と初めての任務だからだ。
今月は1年全員が先輩と組んで実践的に呪術師としての経験を積んでいく期間。
前の2週間は夏油先輩とだったのだが、今週からは五条先輩となのだ。
因みに今週は灰原が夏油先輩、七海が硝子さんと組んでいる。
『先輩、私は何をすれば良いでしょうか』
「見学でいいだろ、相手雑魚だし」
此方をちらりとも見ず、スタスタと歩いていってしまう五条先輩に駆け足で私も着いていく。
確かに、五条先輩ならそれこそ秒で任務を終わらせられるだろうけど、本当に見学なんかしてて良いのだろうか。
七海や灰原は、この時間にももっと進んでるかもしれないのに。
それに....
『先輩』
「あ?」
『そ、その...任務の詳細を...』
私はまだ、この任務の詳細を何も渡されてない。
五条先輩が持ってるはずで、私にも見せてくれるのが普通なんだけど...帳まで下ろした現段階で未だ私は現場の正確な位置すら知らない。
「あ〜、知らなくてよくね」
『えっ、でも』
「どうせ見学だし、なんならここで待ってろよ。
俺片付けてくるわ。ここ、座って大人しくしてろ」
そう言って地面を指さした五条先輩はやっとこちらを向いてくれた。
サングラスから覗く私への目線が、心做しか冷たいように感じてすぐに目を逸らしてしまった。
よく考えたらそうだ。これは学校側が勝手に組んだもので、先輩からしたら足でまといが増えたようなもの。
夏油先輩が偶々そう思わなかっただけで、皆が皆後輩の指導を熱心にやりたいわけじゃないもんね。
『分かり...ました』
「ん。まじで動くなよ?すぐ戻るから」
念を押すようにピシッと言われ、小さく返事をした。
私五条先輩との期間ずっとこんな感じなのかなぁ...。
もっと近くで、術式とか、動きとか、見たかったのに。
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しらす - 面白いです!応援しています♪ (2021年3月3日 4時) (レス) id: 0909f67dda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜の花 | 作成日時:2021年2月8日 19時