kｚ短編集！Ⅱ (ページ15)

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愛してるよ（美彩）ページ15

※直接的な言葉は入ってませんが、イメージさせるような感じになってます
苦手な方は注意してください

愛してるよ

今、最も言いたい言葉

でも、
今、最も口に出したくない言葉

矛盾、してるでしょ？

幸せ、とか不幸せだとかそんな壮大な話じゃないけど、彼女には幸せになってほしいと思ってる

人間、誰しも幸せと不幸を感じたことはあるだろうけど。

余計な苦しみは受けてほしくない

俺の隣で苦しそうに眠る彼女の裸の肩に布団をかけ直して首筋にそっとキスを落とす

僅かに上がった口角に喜びを感じる

それはイキナリだった

今日は二人とも仕事が早く終わるから、夜が楽しみだった笑

特にアーヤは会議だけだったから7時には帰ってこれるよ！

と少し赤い顔で嬉しそうに言ってた

しかし、俺が家に帰ったときにアーヤはまだいなかった

見上げる時計の短い針はどんどん上がっていって俺は心配になる

そろそろ、電話しようか

思いきってかけた電話には無機質な機械音

心配できゅぅと心臓が縮む

その時、ピコンとポップな音がして
ケータイの上の方に

Haruh!兄貴！彩先輩がヤバイっす！

陽翔はアーヤの会社の後輩で明るくて元気。

つまりら名前の通りのやつだった

よくアーヤは助けられてるんだ

すごくいい子といっていて
好奇心と嫉妬心の入り交じった心情で一緒にご飯を食べた時から陽翔は俺を慕っていて兄貴と呼ぶ

急いでアプリを開くとどんどん来るLINEHaruh!兄貴!彩先輩がヤバイっす!Haruh!きょう会議で俺らはすぐ帰されたんですけど、彩先輩だけ課長に残されてHaruh!でも、俺らも仕事があって残ってたんですよ!Haruh!しかし、彩先輩が帰ってこなくて部長に聞いたら課長とタクシーでどっか行ったよと言っててHaruh!同期が妙なこといい始めて、その子少し前に課長にホテルにつれられたって子でHaruh!彩先輩ヤバイよって!!!!Haruh!それ、どこ

「ブリリアントっす」

俺は陽翔にお礼もいい忘れ着ていたバスローブを脱ぎ捨て適当な服を着て車を出す

ブリリアントというホテルがあるところはネオンの明かりで明るかった

自動ドアの隙間に体を割り込ませる

自動ドアがちゃんと開くのをまっていられるほど余裕じゃない

受付嬢に二人の場所を聞く
　

もちろん教えてくれるはずなんてないけど。

その時、再びピコンと、音がして
「今から課長に電話をかけます」

と陽翔からLINEがあった