kｚ短編集！Ⅱ (ページ12)

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痛いページ12

更新遅くなりました、ごめんなさい
無事受験も終わったのでガンガン(？)更新しますね☆

彩side

うっ…

あまりのお腹の痛さでその場にうずくまる

え…なんで急に？

その腹の痛みはみるみる膨らんでいって歩けないほどになった

右側だけ痛いの

最近多いんだよね
原因はわかってるけど

傾けた体勢は足を痛くしたけど、気にならないくらいにお腹が痛い

苛々する
気が立って、八つ当たりをしそうになる

若武がつけっぱなしのバラエティーの音がうるさい

ドアの隙間からもれる風が邪魔

床に落ちてるゴミ、誰か拾っておいてよ！

目を開ければ嫌でも気になっちゃうし、苛々は止まらない
ここはリビング
せめて自室でいたくなってよ…なんて思いながらどうしようか悩んだ

だって、いつまでもここにうずくまれないし

明日には治ってることがわかってるし、生理現象だから放っておこうか

そう思って少し体を傾けると

「っ～～涙」
涙が出るくらい痛かった

男子にはわからない痛み

でも、この家には男子しかいないし。
しかも、デリカシーがあって、且つ助けてくれそうな三人はいない

え、どうしよう

私動けないよ

寝転ぶことさえ困難なこの痛み。
絶望的過ぎて、痛すぎて涙が出てきた

お願いだから帰ってきて！

「っ…はぁ…」

呼吸するだけでギリギリして痛いよ…

その時、リビングのドアがゆっくり開いた

「わっ！」

ちょうどドアの前でうずくまってた私を見つけて小塚くんは驚いた顔をした、

「あ？なんだ？」

こちらに背中を向けてずっと笑ってる若武は振り向かぬまま面倒そうに口を利いた

こんのバカ武っ！
振り向くなって念じたのは私だけど、いざ気付いてくれないとそれはそれでなんかムカつく

こんなん私じゃない
そう思うとまた腹が立ってくる

私の顔みた小塚くんは咄嗟に隠して

僕の見間違いだった、ごめんねと若武に謝って私に手を差し伸べた

「大丈夫？」

若武に聞こえないようにこっそりと囁く

途端、私の苛々はどこへやら。
目の前の小塚くんのほんの小さな優しさに満たされて涙が溢れた

「痛いの…」

私の涙をみても戸惑うことなく優しく頭を撫でてくれた

「とりあえず、歩ける？」

私はあまり迷惑はかけなくないと思い少し強がった

ずっとしゃがんでて痺れた足に力を込め立ち上がろうとした

「あっ…」

右側のサイドラインがぐっと伸びてあまりの痛さに視界が一瞬暗くなった