第九百二十五訓 ページ26
まあ色々と疑問に思うことはあったが……どうやら目の前の彼が坂本辰馬であるというのは本当らしい。
桂君が信頼しきっている様な態度を取るのも立派な証拠だし、何より船の中に体に包帯を巻いた万斉くんとその部下達が居たのだ。
(半信半疑だったが……万斉くんが居るなら確定。春雨から鬼兵隊の捕虜を奪還、という話も快援隊が味方という話も全て真実みたいだね)
また、万斉くんが驚いている様子からして……これは事前に高杉と辰馬さんが打ち合わせていた事ではない。辰馬さんが独断で動いたという事。
旧友高杉のピンチに自分の仲間全員動かして助けに来たって訳か、あーあー熱い友情、お涙頂戴だねぇ。
『………ま、そーゆー訳で。色々とごめん、世話になったね信女ちゃん』
銀時「案内ありがとよ」
信女「……早く行った方がいい。喜々がこちらの動きに勘づいた…こっちは私が引き受ける、後は貴方達で何とかして」
コツ、と靴音を鳴らして私たちに背中を向ける信女ちゃん。最後まで私達の背中を守って後始末まで引き受けてくれるみたいだ。
『はは、照れなくてもいいのに』
信女「何か言った?」
『いいえ何も』
………ははは、この通り素直じゃないけどね〜。
『……じゃ、準備も整った訳だし早速行こうか』
新八「はい!」
定春「くぅ〜ん」
くすりと笑って船の中へと歩いていく。相変わらず新八君は素直に、定春は甘えるみたいに可愛らしく返事をしてくれた。
不意にちらりと後ろに視線を向けると、銀時君と信女ちゃんが未だ動かず背中越しに会話をしていて。
銀時「……一つ、聞いていいか?お前は松陽の弟子として俺に力を貸したのか…それとも高杉の仲間として手を貸したのか?」
『!』
信女「……。」
彼女の表情は見えなかった。けど、見えないままでいい。きっと見てしまったら私らしくもなく切なくなってしまうに決まってるから。
視線を戻して……聞こえてくる声だけに思いを馳せる。
信女「………似てたから。間延びした顔と、へらっとした笑顔が……あの人達に」
そうして振り返ること無く、万事屋の皆と船へと乗り込んだ。口元には笑みを携えて。
_____さあ、少しばかり江戸を離れる時間だ。
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実珠(プロフ) - ちゃむさん» ありがとうございます〜〜!!!!早く高杉出したいです笑笑笑 ちまちまとではありますが頑張ります!!楽しみにしていてくれると嬉しいです!!!💕 (1月24日 19時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - 今回もスッゴく良かったデスーーーー!! 毎回毎回、楽しみにシテマスネーー!更新、無理しないで頑張ってください! (1月24日 2時) (レス) @page37 id: b122cb1e07 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 蘆花さん» 最高だなんて!!!見てくださっている蘆花様も最高ですううう〜!!✨長い間更新停止していて申し訳ない、、、また手に取って下さってこちらこそ有難う御座います嬉しいです✨️💕 ちまちまとではありますが更新頑張ります!!!笑 (1月20日 22時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - うそ!!知らぬ間に大量更新!?最高です!!あぁー!!めちゃさいこうです!!とにかく最高です!これからも待ってます!!!!! (1月20日 18時) (レス) id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - ワーーー!!! ありがとう御座います!! (1月11日 22時) (レス) id: b122cb1e07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2023年12月21日 19時