第九百二十訓 ページ21
どうやら信女ちゃんは牢獄に入れられた当時とんでもない飢餓に襲われていたらしい。
仕事が満足に出来なければ飯は無い、それが当たり前の生活だったんだとか。
信女「私がお腹を鳴らせば、屍さんは一日一食しかないであろう配給食を私に全部くれた。自らもかなりやつれているのに……」
『!母さんが……?』
信女「えぇ、"喉に詰まらせないようにね"って……味の薄い配給食なはずなのに…とても美味しかったわ。彼女が居なければ私は死んでいたでしょう」
………母さん…。話したことはたったの数年しかないし弱っている所しか見た事ないけど……やはり優しくて強くて、立派な人だったんだな。
天導衆に虐げられながらも自らの魂を失わず、精神を痛めつけられても負けなかった……。それが、私の母さん。
信女「それと……Aは、どうして自分が屍さんの娘だと分かったのかと聞いたわね」
『!うん……妙に私の事気にかけてくれている感じはあったけど…でも知らない様子だったでしょう?』
信女「………えぇ。後々屍さんが結婚した男…司欧の事を調べてみたら、彼の元々の姓が暁だったという事が分かったというのもあるけど。何より_____」
.
「へぇ……信女ちゃんって言うの!
可愛い子ね、どこの部隊に所属しているの?
私は屍よ、仲良くしましょ」
「あら……お腹が空いているの?ふふ、じゃあこれどうぞ!多いと思っていたしあげちゃう」
「えっ、理由?うーーん……
助けたかったから…じゃ、駄目かしら」
.
信女「貴方達が………あまりにもそっくりだったから」
『っえ?』
ふ、と笑う信女ちゃん。その瞼の裏には誰が居るか分かりゃしないが……なんというかとても優しくて、儚くて。泣き出しそうなのに安心したみたいな。
とにかく……とても綺麗な笑顔だった。
信女「………何でもないわ。ただ、初対面の人間に躊躇なく食べ物を与えへらへら笑ってる能天気さが同じだなと思っただけよ」
『それ褒めてる?貶してる?』
信女「………そろそろドーナツが食べたい季節ね」
『話逸らさないでもらっていい???』
あとドーナツが食べたい季節って何。
ー
皆さんあけおめー!!!
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実珠(プロフ) - ちゃむさん» ありがとうございます〜〜!!!!早く高杉出したいです笑笑笑 ちまちまとではありますが頑張ります!!楽しみにしていてくれると嬉しいです!!!💕 (1月24日 19時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - 今回もスッゴく良かったデスーーーー!! 毎回毎回、楽しみにシテマスネーー!更新、無理しないで頑張ってください! (1月24日 2時) (レス) @page37 id: b122cb1e07 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 蘆花さん» 最高だなんて!!!見てくださっている蘆花様も最高ですううう〜!!✨長い間更新停止していて申し訳ない、、、また手に取って下さってこちらこそ有難う御座います嬉しいです✨️💕 ちまちまとではありますが更新頑張ります!!!笑 (1月20日 22時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - うそ!!知らぬ間に大量更新!?最高です!!あぁー!!めちゃさいこうです!!とにかく最高です!これからも待ってます!!!!! (1月20日 18時) (レス) id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - ワーーー!!! ありがとう御座います!! (1月11日 22時) (レス) id: b122cb1e07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2023年12月21日 19時