【銀魂】空から女の子が降ってきました。23

第九百十九訓 ページ20

私が通常運転に戻ったのを見て信女ちゃんは安心したみたいにふう、と一息つき……


そして、彼女が母さんとどう会ったのかなどを教えてくれた。とても……懐かしそうな、幸せそうな顔で。






信女「私が奈落に入ったその時から屍さんはもう牢に居た…上層部から見捨てられた彼女の暮らしと言えば酷い物でね。

錆びれた牢獄、血肉の腐敗臭……そんな中でずっと一人。任される仕事と言えば自らと同じ様にアルタナの実験で"駄目になった"被検体の処理」



『……。』






牢獄に、一人。司欧の朝霧の船で私も経験した事はあるが……それほど酷い状態じゃなかった。


それにどんな環境よりも何よりも辛いのは一人だという事だ。孤独っていうのは……ただただ虚しい。


私は神威や高杉が居たけど、でも母さんはずっと一人でそんな所に何日も、いや下手したら何年も……？精神を保ちつつ、そんな暮らしを？






『っ……母さん…』



信女「……それで私も、一度牢に入れられた事があった。理由はあまり覚えてないけど…確か任務を失敗したか、期待されただけの働きが出来なかったか」



『……え、じゃあそれで…』






母さんに、会ったのだろうか。

その頃の母さん、信女ちゃんに何て言ったんだろう？そもそもどんな様子だったんだ？憔悴はしていなかったのだろうか？






信女「えぇ、屍さんに会ったわ。やつれていて…隈が酷くて。最初はこの人も自分と同じ様に大した働きが出来ず追い出されたのかと思った」



『……母さんは、何て？』



信女「………。"可愛い子ね、どこの部隊に所属してるの？"って呑気にウインクしたわ。ナンパ好きのAと同じ様にね」



『………。…………成程？？？』






……………いや、うん。




取り敢えずナンパじゃなくて逢引のお誘いと言って欲しいが。まあそこは良いとして。




………………いや、うん。え？？








(母さん全然憔悴もクソもねーじゃねェかァァァ！！！)








何だよウインクしたって！！何だよ可愛い子って！！


アンタ牢獄に閉じこめられてシリアスと儚さに溢れた存在でしたよね！！？何呑気に子供の信女ちゃんナンパしてんのアホなの！？母さん！！？






『…………え？？で、恩人になったの？何の恩？ナンパされた恩？』



信女「違うわ。たしかにそう声をかけられた時はこの人頭大丈夫かとかは思ったけど……恩はまた別の話」






あ、また別なのね。そんでもって頭大丈夫かってしっかり思われてたんだね。











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