【銀魂】空から女の子が降ってきました。23

第九百十七訓 ページ18

決めた後の天導衆の行動は速かったらしい。直ぐ様母さんから三羽烏の地位を剥ぎ取り、翼をへし折った。






信女「そうして屍さんは実験体となった。体はいいように弄り回され、虚の血を波々と注がれた……常人ならば致死量、その時点で狂い悶えて死んでいたわ」



『……けど、適合…したんだね？母さんは。私が生まれてるって事は母さんがそこで生き残ったって事だ』



信女「………えぇ。適合、と言っていいのか分からない程衰弱し苦しんだ後だったけれど…何とか生に彼女はしがみついた。詳細は私も調べただけだから分からない」



『……。』






記憶で見る母は、いつも力無く笑っていた。司欧に言われるがまま動いていたのも弱々しかったのも……全部全部、その実験のせいだったというのか。

天導衆は不老不死だなんて言うくだらない物に弄ばれ……私の母さんをそんな風にした。







信女「天導衆は適合者が現れた事に大いに喜んだわ。漸く現れたと、その遺伝子を媒体に自分達の身体も促進させれば不老不死が手に入るかもしれないと。

……けれど屍さんの衰弱ぶりを見て失望した様で、その遺伝子は使い物にならないとして結局彼女を牢獄に入れた。適当な罪を被せてね」



『っ……、糞だな。吐瀉物以下だ』






ぎゅううう、と強く拳を握った。もし母さんが元気なまま私を産んでくれていたらどうなっていたんだろう。

二人で先生と会ったのかな？二人で村塾へ足を運べたのかな？母さんも一緒に村塾に行って、それで皆と＿＿＿＿っ







(っいやダメだ、辞めよう。無いものねだりなんかしたって虚しいだけだ。そんな風に思ったって何も変わらない)







………ん？






というか……待って。村塾と言えばそうだ、先生は？






母さんが自身の血で実験されている事を知っていたのだろうか？いやまず虚から先生へと変わり塾を開き始めたのはいつ？






『っねぇ、信女ちゃん……先生…いや、虚は？その時何をしていたの？実験の事は知っていたの？』






先生が奈落をぬけたのはいつ？


母さんが牢獄に閉じ込められたのはいつ？


先生が"母さんが死んだのは自分のせいでもある"って、言ってたの……この実験の事なの？






信女「………分からない。知らなかった、と私は思う。でなきゃ後々になってAを迎えに行ったりしないはず」



『っそう……だよね。ごめん』






……嗚呼、先生。また貴方に聞きたいことが増えた。












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