第九百十五訓 ページ16
信女ちゃんは、私の様子をちらりと一瞥してから……はぁとちいさく溜息をつき口を開いた。
______語られたのは……彼女の幼い記憶。
信女「屍さん……まず彼女は元奈落三羽烏の一人」
『え……っ、!?』
淡々と、けれどどこか懐かしむみたいに告げられたその言葉。それに思わず目を見開いてしまった。
いやだって……母さんが奈落の、何だって??
さん、三羽烏……?それってあれだよな、朧と同じ……いや元だからかなり前の世代の三羽烏なんだろうけど。
(確かに母さんは暗殺剣を知っていた……鉄くんの見廻組騒動の時信女ちゃんがそれを使っていると見抜けたのは、母さんに暗殺剣について教えられたからだ。
暗殺剣は後暗い裏社会の人間……それこそ奈落などの組織が使う技。だから母さんが知っているという事は…そういう事だろう)
だからこそ奈落、という点においてはまだ納得ができる。十万歩くらい譲って。いや譲りませんけど。
けど………三羽烏??三羽烏……?えっ??三羽烏って……マジ??私の母さんそんな強かったの!!?
『えーと……あまり実感が湧かないんだけど…?母さんって司欧に従順で言われた通りの事をする人って感じで、お世辞にも強いとは…』
信女「司欧?……あぁ、Aの父親ね。屍さんは奈落を抜けてその男と結婚した辺りから随分と弱っていったから…無理もないわ」
『え?そうなの……?』
………どうやら私の中で母さんのイメージを結構変えなければならないらしい。弱々しい人、というのは的を射ている様でどこか違う。
信女「彼女は私の恩人。優しくて穏やかだけど、はっきりと物を言う強さがあった。そして生命力に溢れていて…だからこそ利用されたのかもしれない」
『……利用、?』
信女「………えぇ。屍さんは
語られる自分の母の記憶。利用されたという言葉も奈落という言葉も全てが初耳で……けれど、それを聞き進める度に核心へと近付いている様な気がした。
先生の"母が死んだのは自分のせい"だという言葉も。"死ぬべきなのは自分を利用しようとした人間だけで充分"という言葉も。
そして虚が……私の血に興味を持ち、"混ざっていないか"と呟いた事も。
(先生……私は、私の母さんは…貴方の何だったんですか?)
もし貴方が私に優しくしてくれた理由が母さんに関係する"何か"ならば_____私は。
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実珠(プロフ) - ちゃむさん» ありがとうございます〜〜!!!!早く高杉出したいです笑笑笑 ちまちまとではありますが頑張ります!!楽しみにしていてくれると嬉しいです!!!💕 (1月24日 19時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - 今回もスッゴく良かったデスーーーー!! 毎回毎回、楽しみにシテマスネーー!更新、無理しないで頑張ってください! (1月24日 2時) (レス) @page37 id: b122cb1e07 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 蘆花さん» 最高だなんて!!!見てくださっている蘆花様も最高ですううう〜!!✨長い間更新停止していて申し訳ない、、、また手に取って下さってこちらこそ有難う御座います嬉しいです✨️💕 ちまちまとではありますが更新頑張ります!!!笑 (1月20日 22時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - うそ!!知らぬ間に大量更新!?最高です!!あぁー!!めちゃさいこうです!!とにかく最高です!これからも待ってます!!!!! (1月20日 18時) (レス) id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - ワーーー!!! ありがとう御座います!! (1月11日 22時) (レス) id: b122cb1e07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2023年12月21日 19時