第九百十三訓 ページ14
奈落の首領、虚。彼は突然奈落から失踪し、松下村塾を開き銀時くん達を弟子に迎えた。
身分を隠し名前を変え、子供達に金も取らず手習いを教え…そして私にもその知識の一端を授けてくれた。
だが数年経ってから奈落の追っ手により寛政の大獄として捕まって…攘夷戦争敗北後、処刑された。私の前からも姿を消した。
(そして、そしてその処刑の後蘇ったのが____)
信女「それが、虚の正体」
『っ……、』
なら、なら虚は、虚の正体は______
信女「五百年に及ぶ奈落の歴史の中で、天照院奈落の首領は13代を数える。だけどそれらは全てたった一人の男を指していたのよ」
虚の正体は______松陽先生。
私とあの時対峙したのも、私をあの時殺そうとしたのも、私にさようならと言ったのも、私が背中を剣で貫いたのも。
虚であり……松陽先生、なの?
(でも、でもあの松陽先生が他人の力で身を滅ぼし、あろう事か為す術なく連れていかれ処刑されるなんて……薄々有り得ないとは思っていた。
あの人をそんな風にできる存在なんて、それこそあの人自身……吉田松陽本人しか居ないに決まっている)
だから今の私は心の底から驚かず……どこか、腑に落ちてこの話を聞き入れているのかもしれない。
虚が、松陽先生。松陽先生が、虚。驚いてない訳じゃないけど……納得はできる。
だって私が全くの別人に先生の面影を見るなんて事有り得ない。大好きだった、毎日その背中を追っていた。なのに私が間違える訳……ないのだ。
(それに"死ぬ事ができない"……か。なるほどね)
先生から時々感じた得体の知れない瞳や、底抜けの強さ……人間性が抜け落ちたみたいな気配。
彼が不死だと言われれば確かに……それらも頷けるのかもしれない。
虚からも"それ"を感じた。実際、心臓を貫こうとも戦艦に潰されようともけろりとしていた。彼らが同一人物だとするのなら全ての説明が着く。
(___でも先生は、どれくらい虚の中に残っているの?)
"A"
"次は、殺します"
あの言葉は、どういう意味だったんだろう。
ー
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実珠(プロフ) - ちゃむさん» ありがとうございます〜〜!!!!早く高杉出したいです笑笑笑 ちまちまとではありますが頑張ります!!楽しみにしていてくれると嬉しいです!!!💕 (1月24日 19時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - 今回もスッゴく良かったデスーーーー!! 毎回毎回、楽しみにシテマスネーー!更新、無理しないで頑張ってください! (1月24日 2時) (レス) @page37 id: b122cb1e07 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 蘆花さん» 最高だなんて!!!見てくださっている蘆花様も最高ですううう〜!!✨長い間更新停止していて申し訳ない、、、また手に取って下さってこちらこそ有難う御座います嬉しいです✨️💕 ちまちまとではありますが更新頑張ります!!!笑 (1月20日 22時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - うそ!!知らぬ間に大量更新!?最高です!!あぁー!!めちゃさいこうです!!とにかく最高です!これからも待ってます!!!!! (1月20日 18時) (レス) id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - ワーーー!!! ありがとう御座います!! (1月11日 22時) (レス) id: b122cb1e07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2023年12月21日 19時