第九百十二訓 ページ13
奈落の首領は、虚という名と烏の仮面を代々継承し時の為政者に仕えるものらしい。
少なくとも奈落の人間はそう聞かされている、との事。
だが信女ちゃんが言うには、天導衆に奈落が仕えていた時代に発覚した……"それとは別の新しい真実"があるらしく。
信女「当代の虚が謎の失踪……裏切り者は死を以て償わなければならない、故に組織は彼を探し回った…けれどそこで見たのはある妙な光景」
『妙な、光景……?』
信女「_____虚は名前を変え、身分を隠し、子供達に手習いを教えていたの。まるで別人の様な目をしていたと言う」
(………え、)
____どくり。と、心臓が嫌な音を立てた気がした。
いや……元々心のどこかで感じていたのかもしれない。そんな、予感がする。
子供達に手習い。身元不明。それを聞いただけでも点と点が繋がるみたいに当てはまっていくのだ。
銀時君と桂君からも私と同じように驚いているのを肌で感じる。でも当たり前だ、だって、だってそれは_____
信女「その後、虚の弟子達による大規模な反乱が起こったけど彼等は敗北……虚は処刑された」
あの男と先生を重ねてしまったのもそう。先生の面影を見てしまうのもそう。もう一度頭を撫でて欲しいと思ってしまうのもそう。
既視感が、あまりにもあり
でも、でもまるで虚の物語の様に語られてるけどそれは……私達が知ってるそれは虚じゃなく____松陽先生のもの。先生
信女「そして、処刑された虚はそのまま"裏切り者への相応しい処遇"として首の無い状態で焼き討ちにされた」
(……そう。先生はそこで死んだんだ。死んだ、筈なんだ。なのに、なのにどうして______)
信女「____異変は、そこで起こった」
平然と笑ったの」
信女「無かった首もしっかり元通り……けれどただ一つ、教師の真似事をしていた時の様な柔らかい眼差しはすっかり消え失せていたそうよ」
(_____っ、)
焼かれた身体が、元通り。斬られた身体が、元通り。
笑った顔が、あの人とそっくり。
声が、体が、全てが……あの人と全く同じ。
(もしかしてあの時感じた虚への違和感は……私の都合のいい幻覚なんじゃなく、本当は抱いて然るべき物なの?)
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実珠(プロフ) - ちゃむさん» ありがとうございます〜〜!!!!早く高杉出したいです笑笑笑 ちまちまとではありますが頑張ります!!楽しみにしていてくれると嬉しいです!!!💕 (1月24日 19時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - 今回もスッゴく良かったデスーーーー!! 毎回毎回、楽しみにシテマスネーー!更新、無理しないで頑張ってください! (1月24日 2時) (レス) @page37 id: b122cb1e07 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 蘆花さん» 最高だなんて!!!見てくださっている蘆花様も最高ですううう〜!!✨長い間更新停止していて申し訳ない、、、また手に取って下さってこちらこそ有難う御座います嬉しいです✨️💕 ちまちまとではありますが更新頑張ります!!!笑 (1月20日 22時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - うそ!!知らぬ間に大量更新!?最高です!!あぁー!!めちゃさいこうです!!とにかく最高です!これからも待ってます!!!!! (1月20日 18時) (レス) id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ(プロフ) - ワーーー!!! ありがとう御座います!! (1月11日 22時) (レス) id: b122cb1e07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2023年12月21日 19時