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舞い戻った星光が、
追いつめられたサトシーラを救おうと『黒の王子』を目掛けて攻撃をする。
しかし、王子の結界に阻まれ、
キンキンと音をたてることしかできない。
「フン そんな姿になっても蝿のようにウルサイ奴らだな！！」
サトシーラの腹を撫で回していた片手を離し、
鋭い刃のように変化させた魔力で、星光を追い払おうとする『黒の王子』
ピシッ……!!
「！！」
４つのうちの一つにヒビが入る音が耳に届き、サトシーラは震えを止めた。
星光が破壊されれば、
『黒の王子』に対抗する力を完全に失ってしまう。
いや、それだけではない。
すべてを懸けてくれた彼らの想いも、その魂ごと消失してしまう！
「そんなこと……させない！絶対！！」
サトシーラは、首に巻き付いた魔の腕を、両手でつかみ、ありったけの力をこめる。
そこに青の星光が呼応し、聖なる力を注ぎ込めば……
ジュウジュウ…と『黒の王子』の腕が焦げはじめた。
「……何の真似だ？ 姫」
サトシーラの抵抗に、『黒の王子』が眉をひそめる。
「無駄な抵抗はやめたらどうだ？
いくら力があろうとも、お前の柔な肉体は、俺を滅するまでの攻撃には耐えられぬ
それは さっきの戦いで思い知っただろうに」
「それでも！
その呪われた体を滅ぼせないとしても！
……方法はあるはず！」
「何？」
サトシーラの手によって骨まで焼いた『黒の王子』腕が、首から外れた。
そこから解放されたサトシーラは、よろめきながらも
４つの星光の力を借りて、『黒の王子』の結界から逃れる。
そんなサトシーラを目を細めて眺めながら、『黒の王子』は焼かれた腕を再生してみせた。
「ほぅ？ まだ楽しませてくれるというのか、サトシーラ」
「…………」
その様子を見て、サトシーラはぐっと息を飲み込んだが、あることを確信していた。
それは、確実に『黒の王子』の結界力が弱体化してきていること。
体を再生するために魔力を使い、それは無尽蔵ではないこと。
ならば
「………今は……すべてを滅ぼせなくても……」
ブルーダイヤを握りしめ、サトシーラは最後の懸けにでた。
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