Cinque ページ7
嘘は言ってないし、これで許して欲しい。
ごめんちょ☆
「それじゃあ早速、仕事してきますね」
ぺこりと申し訳程度に礼をして、早々に話を切りあげる。
この集落の本拠地であろう場所を後にして、少し下がってしまった気分を、ぶんぶんと頭を振って気持ちを切り替える。
ネガティブ、ヨクナイ。
とりあえず採取よりも裁縫の方が人手が足りなさそうだからそっちを優先しよう。
女子の方がこういう内職系を担っている人を知っていそうだ。
男女比がかなり偏っている今その女子が見つかるかも怪しいが……。
そう思った直後、肩に何やら重そうなカゴを担いだ同い年くらいの女の子が向こうから歩いてきた。
体ががっしりしているから柔道かなんかをやっていたのだろう。
なんていいタイミング
「あのー……お尋ねしたいんですけど」
「なんだい？アンタ、見ない顔だね」
「あ、先程石化を解いてもらった者です。夏目鈴と申します」
「そうだったのかい。あたしは仁姫。ニッキーとかって呼ばれてるよ、よろしく」
差し出された手を握り、よろしくお願いしますと返す。
「それで、聞きたいことって？」
「この服を作ってくれた人なんですけど……」
「ああ、あの子だね……あっちの方にいるよ、ちょっと待ってな」
少し思案すれば直ぐに思い当たったようで。カゴを一旦持ち場に置いてくると言って去っていった。
五分ほどして戻ってきて、早速案内をしてくれた。
岩に囲まれた道を歩けば、小さな小屋のようなほら穴が見えた。
どうやらここが件の人の作業場所のようだ。
案内をしてくれたニッキーにお礼を言えば、大したことしてないよ、と朗らかに笑ってくれた。
さて、茶番もそこそこに作業場所の入口に向かう。
簾のようなモノがかかっており、これからの季節には丁度いいカーテンになるだろう。
「あのー、今日からここの手伝いに来ましたー。夏目鈴と申し……ま…………」
バイトのノリで軽く挨拶をしようと思い、簾をくぐった。少し暗くてよく見えなかったが、その小さい背には見覚えがあった。
振り返り際に見えたその横顔と特徴的な髪飾りを、見間違うことは絶対にない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「Dr.STONE」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＿＿＿＿＿(プロフ) - 米さん» 米さん初めまして！コメントありがとうございます。文章が硬くなってしまうのが悩みでしたので、そのように楽しんでいただけたのなら幸いです！相変わらずの亀更新ですが、米さん含め、皆様に楽しんでいただけますよう頑張ります。 (2020年4月13日 21時) (
レス) id: 0c0dd0f299 (このIDを非表示/違反報告)
米 - 文章が読んでいて楽しくて、いつも楽しみにしています。これからも陰ながら応援しております。 (2020年4月13日 18時) (レス) id: 2a29b7989a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：____(かせん) | 作成日時：2020年3月26日 12時
