Diciasette ページ19
「……はー、かなわないな」
「？何がですか？」
「なんでもない。それより、いいの？あそこで皆が待ってるけど」
「あっやべ。じゃあね、羽京さん」
あそこ、と指差す先には山菜班がいた。
もう山菜採りの時間が来ていた。
羽京さんにばいばい、と手を振って別れて、山菜班の元に駆けていく。
もう山菜採りの時間になっていたとは……うっかりです。
どうやら今日は律也さんもその中にいるようで、私の分のカゴを持っていてくれていた。彼も山のプロフェッショナルだったのか。
「遅いから置いてくとこだったよ」
「ひぇ〜すみません。カゴ、ありがとうございます。暗くなる前に早く行っちゃいましょ」
「なんでアンタが仕切ってるのよ」
やれやれという顔をしながらもその声音は優しい。
山のプロフェッショナルと言っても山ガールだとか、山で生活していた人達というだけだ。
あとは山菜に詳しい人とか。皆優しい人達ばかりだ。
わはは、と笑いながら昨日とは違う道へ進んでいく。反対側の方は、ヨモギとかそういう葉っぱ系が多いんだとか。
バランスよく食べないとね、と山菜班のリーダーである三葉さんが言っていた。
今日も今日とて山菜採り。
食べられりゃもう何でもあり。
YOYO、と大して韻も踏んでないラップを心の中で刻んでいく。
センス無さすぎて笑えるわ。
この山菜採りも続けること一ヶ月くらいは経っているのだ。もうすっかり慣れた。
今は夏だから収穫量は少ないが、これから秋を迎えるし、どんどん増えるだろう。
今のうちに大まかな山菜の群生地のアタリをつけておこう。
もしかしたらいつも行ってる場所以外にいい場所があるかもしれない。
ちょうど他の山菜班と別れ一人になったので、地図もどきを開始する。
「ふぅ…………ん？」
動物の革に、動物の血に脂を溶かしたものをインク代わりにしてざっくりとした地図を書いていく。
インクの出はすこぶる悪いが無いよりマシだ。
筆は草を解して作った即興のものだ。
後々はもう少しグレードアップさせたい。
……司くんにバレないようにしないとな。
彼は文明が発展することを忌避しているみたいだったから。
思ったよりもこの作業が楽しくて、随分奥地までやってきてしまったようだ。
木々の奥に、洞窟のような場所が見えた。
「あれ、こんな場所に洞窟なんてあったんだ……」
ザッザッと木の根でがたがたしている道を進んでいくと、洞窟の少し前に大きな木を見つけた。
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＿＿＿＿＿(プロフ) - 米さん» 米さん初めまして！コメントありがとうございます。文章が硬くなってしまうのが悩みでしたので、そのように楽しんでいただけたのなら幸いです！相変わらずの亀更新ですが、米さん含め、皆様に楽しんでいただけますよう頑張ります。 (2020年4月13日 21時) (
レス) id: 0c0dd0f299 (このIDを非表示/違反報告)
米 - 文章が読んでいて楽しくて、いつも楽しみにしています。これからも陰ながら応援しております。 (2020年4月13日 18時) (レス) id: 2a29b7989a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：____(かせん) | 作成日時：2020年3月26日 12時
