増える足音の怪 其の拾 ページ20
起きない彼を寧々が起こしている間、太郎と白杖代の片方は影に苦戦していた
ぶくぶくと増え続ける人形の頭を見て、少し泣きそうな顔で太郎は応戦していた
“怖い”
そんな気持ちが渦巻く中、太郎は渾身の力を込めて抑える
どうやらさっきみたいな奇跡は起こらないようだなと心の内で呟き、横目で花子と寧々をみる
よほど打ち所が悪かったのだろうか。それか幽霊であるものにはなにか悪影響でもある事があったのだろうか。一向に起きる気配はない
「花子くんっ！起きてってば…っ！」
寧々も必死に起こしてくれてるが、起きない
そろそろ太郎の体力も限界になってきた
幽霊でも体力と言うものはあるんだろうか。そこはおいとく
「…う…ぐ…」
『イらナイイラナイ…イラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイイラナイ！！！！』
すべての目が睨み、太郎を見据える
「ひっ…！でも通しません…っ！」
すべての顔がしゃべる光景はホラーでしかない。が、ここは耐えなければと目を背けて抑え続ける
と
「やぁね、なによこのざまは」
「え…？」
何処からか女性の声がして
ザシュンっ！
大きな物を切る音がした
顔は奇声を上げ、落ちていく
隣を見ると、二人の人影が見えた
一人は大きなハサミを持っている女の人
もう一人は白衣を着た男の人だった
唖然として見ている太郎をよそに、女性はため息を付きながら
「あんたは七番様の事を見なさいな、どうせ喧嘩は出来ないんだから」
と男性に指示を出した。男性は不服そうに
「うるせぇ、俺はただ平和主義なだけだっての。このエキノコックス」
と悪態をついて、花子の元へと近づいていった
「…えっと…誰…ですか…？」
人形の影を抑えたまま、女の人に問いかける
もしこれで敵だったらどうにかしないといけない
そんなことを頭に浮かべていると女性は口元を袖で隠した
「あら、私は敵じゃないわよ。七不思議が二番目 『ミサキ階段』のヤコ。
あそこで転がっている七番様の…まぁ仲間ってところね」
にっこり笑うその姿は正直言って綺麗だった
太郎がポカンとしていると、影が忍び寄ってきた
それを獲物を見つけた獣の目で一睨みすると大きなハサミを構えた
「女に忍び寄るなんて無作法じゃない？」
思いっきりハサミで斬りつける
すると影は悶え、身を引いた
しかし大した傷ではないのか、もう修復されている
「…ﾁｯ、やっぱり今の力じゃ大した事はできないようね」
憎々しげにそう呟いた
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白夜の幻想者 - あいうえおさん» あ、そうでしたね…！ご指摘ありがとうございます…！ (2019年4月7日 14時) (
レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 花子くんはヤコさんのこと「二番」って言っていたような気がします (2019年4月7日 0時) (レス) id: 297e0956e6 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - 透空さん» えと、ごめんなさい…いろいろあって一個だけしか更新できなかったです…今はどうにか一段落したのでそちらも続けられます…！ (2019年3月4日 7時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
透空(プロフ) - ごめんなさい、突然…。合作のことなのですが、続けられますか？私はどちらでも良いので白夜さんが決めて頂ければと思いまして…。少し考えて頂けたら嬉しいです。 (2019年3月2日 13時) (レス) id: 3bf9f61dac (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - 最近ネタが浮かばないこの頃です。更新が全然進まず申し訳ありません！ (2019年2月16日 11時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
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