男子トイレの太郎さん 其の漆 ページ7
「…少年、今俺の耳がおかしくなかったら何だけど…
女の子の声しなかった？今」
「奇遇だな…俺も今聞こえたぜ」
顔を見合わせて、まさかね？という顔になる
先ほどとは打って変わり、重苦しい空気はなくなり辺りが騒がしくなった
ちなみに、さっきまであった殺気でさえも消えている
暫く待っていると、開かないはずの扉がそっと開いた
中から細い指が見え、顔を覗かせる
「…あ、あの…花子さん…でしたよね…？」
そこには紫掛かった黒目に長い黒髪を一本の三つ編みにした、大正ごろの制服を着た少女がおずおずとこちらを見ていた
__________
「ちなみにさっきの音は…？」
「あぁ、あれはこの子が慌てて転んで、そこにあった掃除用具入れに突っ込んだんだよ。」
奥に散乱している掃除用具を指して苦笑いする
「しかもそこからすぐにこっちを見て、こんな感じなんすよ」
そう話している間さえも「ごめんなさい…ごめんなさい…」と謝り続けている
ちなみに赤い手の正体は、ここら一体にいた浮遊霊やら自然霊などが集まって起こした現象で、ここに来た人を驚かしていただけらしい
あかずのトイレの中からじっとこちらをガン見してる。正直怖い
というか個室の中に結構な人口密度である。目が一杯見てる状態なのだ。
だが、誰一人として恨みを持った目をしておらず、今謝っている少女を心配そうに見ているのだ
「…ね、ねぇ？ちょっといいかな？」
「ひぃ！」
寧々が話を聞こうと肩に手を置くと、体を大きくビクつかせ、後ずさる
「ど、どんばだ…なんでしょう…」
どこか逃げ腰に寧々を見る少女
その様子に小動物を思い浮かべてしまう
「大丈夫だよ。私は怖くないからね」
「ヤシロ、それは俺達が怖いってこと？」
じとーっとした目線を送られ、慌てる
「違うわよ！…ただこの子が凄く怯えてるようだったから…」
ちらりと少女を見やると、いつの間にか小さな子供達や動物が少女の周りに集まってきてた
心配そうにそれぞれが声をかけている
その中にはまだ幼い子供もいて
「…大丈夫だよ。ごめんね。皆」
少女は安心させるようにはにかむと、子供達の中の一人を撫でた
「…えっと、その子達は？」
「…？この子達ですか？」
なでていた少女は寧々へと目線を移す
「うん、皆小さい子達だから気になって」
それを聞いた少女は目を伏せる
「…この子達は水子霊。私はこの子達の面倒を見てる身です」
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白夜の幻想者 - あいうえおさん» あ、そうでしたね…！ご指摘ありがとうございます…！ (2019年4月7日 14時) (
レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 花子くんはヤコさんのこと「二番」って言っていたような気がします (2019年4月7日 0時) (レス) id: 297e0956e6 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - 透空さん» えと、ごめんなさい…いろいろあって一個だけしか更新できなかったです…今はどうにか一段落したのでそちらも続けられます…！ (2019年3月4日 7時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
透空(プロフ) - ごめんなさい、突然…。合作のことなのですが、続けられますか？私はどちらでも良いので白夜さんが決めて頂ければと思いまして…。少し考えて頂けたら嬉しいです。 (2019年3月2日 13時) (レス) id: 3bf9f61dac (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - 最近ネタが浮かばないこの頃です。更新が全然進まず申し訳ありません！ (2019年2月16日 11時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
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