youth 37 ページ37
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ジェ「慎太郎に彼女がいることに対してはどう思ってんの？」
「慎太郎を取らないでって思った」
ジェ「好きじゃんね、それ」
まるで最初からわかっていたかのような口ぶり。
そういえばジェシーは初めからずっと、俯瞰で私たちを見ていたよね。
ジェ「俺が言いたいのは、幼なじみは永遠じゃないよってことね」
「どういうこと？」
ジェ「どっちかに恋人ができれば、幼なじみなんて簡単に崩れる関係だからさ」
「...本当に、その通りだね」
ジェシーの言葉でやっと気付いたよ。
今までの私は、幼なじみという立場にあぐらをかいて勇気を出すことを放棄してただけだったんだ。
それなのに全部慎太郎のせいにして、自分に責任なんてないって思い込んでた。
「...このままじゃダメだな」
ジェ「話ならいつでも聞くよ、ここで」
「またスイパラかよ」
ジェ「美味しいものいっぱい食べれるし最高じゃん」
「話しすぎて全然食べられなかったんだけど」
結局、真剣に話を聞いてくれたジェシーも、それに乗せられて相談をした私も
全然食べ進められなくて元を取れなかった。
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「樹くん」
樹「ん、」
次の日の学校終わりに、話があると言って樹くんを呼び出した。
私たちが付き合ったあの日と、同じ場所に。
「私ね、やっぱり」
樹「やっぱ俺とAちゃんって合わないわ」
「...樹くん、」
樹「俺まだまだ遊びたいしさ、別れよっか」
目を潤ませている樹くんの、精一杯の優しさ。
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作者名：姫野
| 作成日時：2022年9月3日 22時
