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第六話 ページ6

「あの女、誰?」


そう、おそらくAに向けられた刺々しい言葉が聞こえた。


以前2人でお茶した時はバレなかったのにやはり乱数と帝統がいると目立つ。
Aも聞こえたのか、一瞬にしてさっきまでの自然な笑顔から元気がなくなる。


全く、話す分にはいいですが、こちらに聞こえる声の大きさで喋らないでいただきたいですね。
完全に萎縮してしまったAはうっすら涙さえ浮かべていた。


「A、小生と場所を変わりましょう」


「えっ、どうして」


「聞こえてるんでしょう?周りの声が」


Aは申し訳なさそうに小さくすみません、と口にすると位置を変わるために席を立った。
小生もまた何か言われるのは嫌なので素早く入れ替わる。


こぼれそうなまでためた涙を見たら思わずAの目元に手が伸びる。

指で涙をすくわれ、心底驚いた顔をするA。その顔があまりにも面白かったので少し意地悪をしてみたくなった。

......嘘だ。本当は安心させたくて、どうしようもなくなったんだ。


幸い後ろに少し高さのある壁がある長椅子だったので誰にもバレない位置を確認してAの手を握った。

小さい手だった。


「せ、先生、て、手」


「大丈夫ですよ。これなら少しは安心ですか?周りにも手の位置は見えませんし」


「......ありがとうございます」


ずびずびと鼻をすすりながら少し照れくさそうに笑うA。


その時、小生の胸の辺りがドキッと何か暖かいものが広がった。


バッと乱数の方を見る。乱数はニヤニヤとこちらを見ていた。

乱数の隣にいる帝統は何も気づかずに先ほど先に運ばれてきていたご飯をガツガツと食べている。

小生としたことが、やはり顔に出てしまっていたようだ。


もしかして、小生はAの事が好きなのか?


ちらりと見るAの横顔を見るとドキドキと鼓動が早くなった。
それが答えだとでも言うように。


気づいてしまった。この前、病院にいた少女だと分かってからAは小生に懐いてくれていた。

小生ではなく“作家である夢野幻太郎”に好意があることを知っていたのに。


今度は小生が申し訳なく心を痛ませることになったのだった。


握ったままの手はどうすることもできず、小生とAのご飯が運ばれてくるまでそのままだった。

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芽月(プロフ) - 結城さん» ありがとうございます!キュンキュンさせることができてよかったです!リクエストありがとうございます、準備でき次第投稿していきますのでよろしくお願います! (2018年8月13日 11時) (レス) id: e23601d3dc (このIDを非表示/違反報告)
結城(プロフ) - 完結お疲れ様でした!個人的に幻太郎が推しでめっちゃキュンキュンしてました(*´∀`*)リクエストで幻太郎が嫉妬する話を読みたいです! (2018年8月12日 22時) (レス) id: ef5937f70b (このIDを非表示/違反報告)
芽月(プロフ) - ぬぬぬさん» 山田兄弟しんどいですよね...あれ、綺麗なジャイアンだと思ってます笑よく聞けば確かに声がジャイアンですもんね笑 (2018年8月12日 17時) (レス) id: ffd8fb249b (このIDを非表示/違反報告)
ぬぬぬ(プロフ) - ブクロとシブヤ!?一緒です!!これって運めi…((夢野さんと一兄が好きです!だけど一兄の声がジャイアンだと知って… (2018年8月12日 17時) (レス) id: 43acd54f1e (このIDを非表示/違反報告)
芽月(プロフ) - ぬぬぬさん» 私はブクロとシブヤの箱推しです…みんなかっこよくて推しが定まらなくって!ぬぬぬさんは幻太郎推しですか? (2018年8月12日 17時) (レス) id: e23601d3dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:芽月 | 作成日時:2018年8月7日 0時

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