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第四話 ページ4

「先生、先生、またお話ししてくださいませんか」


「先生、小説を書いてみたので読んでいただけませんか」


「先生」


「先生」


犬のように幻太郎に懐いたAを見ているとなんだか微笑ましい気持ちになった。



「乱数、あいつ、なんだか犬みてえだな」


「良かったねえ、幻太郎に会えて」


「お前、最初から知ってたのか?」


「仲良くなった時にあの子、恐る恐る聞いてきたよ。夢野先生はいらっしゃいませんか?って。最初はPosseである幻太郎のファンかと思ったんだけど話を聞くともっと、Posseでも作家としても有名になる前だったんだよね。あぁ、この子本当に嘘じゃない本物の幻太郎のこと好きなんだなって思ったから会わせてあげたくなったんだよ」


机に置いた甘いカフェラテを口に運ぶ。
帝統は足を組んで僕の次の言葉を待った。


「本人は気づいてないみたいだけどあのおとなしいお姉さんがあんなに感情的になって幻太郎の事話すんだもん。僕嫉妬しちゃった。だからきっとあの子は中学生の時、精神的に救われた時に幻太郎に気づかないまま恋をしてたんだよ。そして今も、ね」


帝統はなるほどな、と一言いうともう一度視線をあの2人に移した。


「確かに言われてみりゃあれは犬ってよりも恋する乙女みてえに見えてきたな」


「うわー、帝統から恋する乙女なんて単語が出て来ると思わなかった」


「あぁん?俺だってたまにはそーいうことも言うぜ!」


「2人とも、なんの話です?」


「なんの話ですか?」


2人の会話が終わったのか、幻太郎とお姉さんが一緒にこっちにやってきた。


「ふふふ、秘密だよ〜!ねえ、今から4人でご飯でも行かない?」


話をそらし、みんなをご飯に誘う。帝統はよっしゃー!!お前の奢りな!!!と嬉しそうに支度を始めた。
幻太郎も仕方ないですね、と荷物を取りに行く。


「お姉さんも行こっ!」


「わ、私もですか?」


「そうだよ〜、せっかく今一緒にいるんだから一緒にご飯食べよ!」


「で、でも...迷惑じゃ...」


お姉さんが渋っていると、奥から幻太郎が顔を出した。


「A、行かないんですか?」


「えっ」


「これも何かの縁です、行きましょうよ」


珍しいこともあるものだ、と思った。幻太郎が噓をつかず、本心で会話をしている。
やっぱり幻太郎も気づかないうちに......。


「先生がそうおっしゃるのなら」


ほら、幻太郎には心を許してるよね。
本当に恋する乙女だ。

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芽月(プロフ) - 結城さん» ありがとうございます!キュンキュンさせることができてよかったです!リクエストありがとうございます、準備でき次第投稿していきますのでよろしくお願います! (2018年8月13日 11時) (レス) id: e23601d3dc (このIDを非表示/違反報告)
結城(プロフ) - 完結お疲れ様でした!個人的に幻太郎が推しでめっちゃキュンキュンしてました(*´∀`*)リクエストで幻太郎が嫉妬する話を読みたいです! (2018年8月12日 22時) (レス) id: ef5937f70b (このIDを非表示/違反報告)
芽月(プロフ) - ぬぬぬさん» 山田兄弟しんどいですよね...あれ、綺麗なジャイアンだと思ってます笑よく聞けば確かに声がジャイアンですもんね笑 (2018年8月12日 17時) (レス) id: ffd8fb249b (このIDを非表示/違反報告)
ぬぬぬ(プロフ) - ブクロとシブヤ!?一緒です!!これって運めi…((夢野さんと一兄が好きです!だけど一兄の声がジャイアンだと知って… (2018年8月12日 17時) (レス) id: 43acd54f1e (このIDを非表示/違反報告)
芽月(プロフ) - ぬぬぬさん» 私はブクロとシブヤの箱推しです…みんなかっこよくて推しが定まらなくって!ぬぬぬさんは幻太郎推しですか? (2018年8月12日 17時) (レス) id: e23601d3dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:芽月 | 作成日時:2018年8月7日 0時

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