嘘と本物【夢野幻太郎】

幻太郎が嫉妬する話１ ページ16

「みなさん、今日は王様ゲームしませんか！？」


毎日事務所で乱数さんの休憩中の遊びに付き合っていた私と夢野先生と帝統さんは最近同じゲームの繰り返しで飽き始めていたところだった。
そこで私の提案。

乱数さんと帝統さんは新しいゲームに目を輝かせ、喜んでいるが、先生だけはあまり喜ばしくなさそうだ。
……せっかく新しいゲームの案持ってきたんだけどな。

というのは建前で、実は私の目論見があった。
友人に彼氏と戯れるいい理由は無いかと聞いたところ、即答で王様ゲームだな、と言われたのだった。

そこで丁度毎日ゲームをしていたということもあり、Posseのみなさんに提案したのだった。
だから先生があまり乗り気じゃ無いのは少し悲しい。
が、そんなの御構い無しに乱数さんが意気揚々と王様ゲームで使う数字の書いたくじを作り始めた。

くじはものの数秒で出来上がり、早速王様ゲームが開始した。


「さーあ！王様は誰かな〜！」


「あっ、俺だわ」


「帝統ですか、あまり馬鹿な命令はしないでくださいよ」


「ふふっ、俺はこのゲームで盛り上がる命令を知ってるぜ。3番が1番に壁ドン！！」


「「！！？！？」」


私の数字は2番。帝統さんの指定した数字は先生と乱数さんのようだ。
先生ははあ、と心底嫌そうな顔で帝統さんを睨んだ。


「馬鹿な命令はやめてくださいって言いましたよね！！」


「ち、ちなみにどちらがどっちの数字だったんですか？」


「僕が3番だよ〜」


「ということは先生が1番……」


せ、先生が壁ドンされるのを見なければならないのか…自分じゃないが壁ドンとかそういうものを見るのは初めてでドキドキする。


「はいはーい、さっさとやるよっ、幻太郎！覚悟はいーい？」


「はいはいわかりました、さっさとやってください」


先生はほぼ諦めで壁に寄りかかる。
……諦め顔で壁に寄りかかる先生はどこか色っぽくてかっこいい…！！！
あいにく壁ドンされるのは私でもなければ先生もする側では無いが、これはこれでいいかもしれない…！！！！

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