私にも守れたら (ページ3)

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2話ページ3

あの日から原因不明のイレギュラーゲートに困惑しながらも着々と任務を勧めていた頃、本部から正隊員へと通達があり、今は害虫駆除をしている。
瓦礫の下からわんさか出てくる小型トリオン兵に顔を歪めながらも黙々と作業を続ける。

「よいしょ…んー、これで何匹ですかね」

「知らないわよ。そんなの。唯でさえランク戦とかで忙しいのに緊急命令なんて出しちゃって…」

近くで作業している香取隊の香取先輩に話しかけるも、ブツブツと文句が返ってくる。

香取先輩とは頻繁にある防衛任務でしょっちゅう同じになり、気づいたら仲良くなっていた。

「あー、大変ですね……お、もう一匹みっけ」

「あんた、よくこんな害虫駆除、進んでできるわね。私もう飽きたわ」

と言い出すと、おもむろに地べたに座り込む香取先輩。やる気なしだな…

「…あ、香取先輩、そこさっき私が投げた害虫が…」

「ぎゃあああ！！……って、いないじゃない！ホント、キモい冗談やめなさいよね！！」

「あはは、すみませんすみません」

座り込んだ香取先輩を起き上がらすために渾身の嘘を吐き、起き上がらせようと試みた私。

案の定、不意打ちでびっくりして勢いよく飛び上がり、悲鳴を上げた香取先輩。面白い。

今は嘘がバレて肩を揺さぶられている。

二人でじゃれ合っていると無線通信が入った。

『…二人共、遊ぶのは後にして、早く任務に取り掛かって。』

「…はい」

華さんに怒られた。いつもより少し低めの声は威圧感が増して、インカム越しの表情が目に浮かぶ。

「華こわ…」

「まあ、アレですよ。私達が仲よさげだから混ざりたくなったんですよ。華さん寂しがりやだもんね」

『は？』

「あら、そうだったの華。可愛いとこあるじゃん。いいわよ、麓郎たち追い出して、A連れてたっぷり遊んであげる」
　
『』

ちょっと興味本位でからかってみたら黙った華さん。もしかして肯定の無言？

「ん？華さーん、もしかして照」
「照れてないわよ。さっさと任務終わらしなさい」

「」

「押し負けてんじゃんA」

ニヤニヤしながら見てくる香取先輩。アンタも乗っかったじゃんかと思いながら、さっきよりも声が低くなった華さんに怯えていた。

「さ、さっさと終わらせましょう…」