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オフィスに入ると、先に着いていた社員がざわざわし始めたのが分かる。
それを気にせず、彼女を抱き抱えたままハゲ課長の元へ行けば「休憩室で寝かせてやれ」と指示される。
「ついでに、観音坂着いておけ。仕事道具持ってな」
「は、はい…」
ハゲ課長の指示通り、仮眠室のソファに横にならせ、俺のジャケットを彼女にかけ、静かに眠る彼女を見ながら小さくため息をつく。
そういえば、出会った時にもこんなことがあったな…。
その時に聞いた話によれば、彼女はいわゆる過眠症とのことらしい。
自分では意図しない時間、場所で急な睡魔に襲われ、酷いときでは今回のように眠ってしまうとの事。
聞いていた話では、最近は眠気はあるものの、実際に眠ることは無くなっていたはずだったんだが…。
そこまで思考したとき、彼女の眠るソファから「どっ…ぽ、さん…?」という声が聞こえ、パソコンのキーボードを打っていた手を止めそちらに顔を向ければ、寝ぼけ眼を擦りながら半身を起こしたAさんの姿。
「あ、あの…えと、エレベーターの中で急に眠って、それで、、」
誤解されないようにと、必死でそう言えば、ふわりと笑みを浮かべて「ありがとうございます、」と口にする彼女に、エレベーター前の時と同じように心臓が鳴る。
「最近、大丈夫だと思ったんですけど…やっぱり、独歩さんと一緒にいると、安心しすぎちゃうのかもしれません」
そう言って照れくさそうに笑った彼女に、何秒、否何分見蕩れていたのだろう。
「独歩さん?」
という彼女の心配する声で我に返っては、「え、と、ありがとうございます…?」と何故か疑問形でそう言ってしまい、ああ、違うだろう、と心の中で自分を責める。
「あはは…Aさんのその眠気を、俺が半分でも貰えたらいいんですけどね…」
「え…」
しまった。余計なことを口走りやがって。彼女の驚いた表情に俺は自分の口を戒める。
謝らなければ、と口を開こうとした時、彼女は再び笑い出す。
「ふふっ、ありがとうございます。そうしたら、独歩さんと同じ時間を共有できるのに」
笑顔でそう言ったAさん。
まったく…………Aさんは、俺の心をかき乱す天才なのかもしれない。
………
Dogi様!大変遅くなり申し訳ありません、!!!如何でしたでしょうか??
リクエストありがとうございました!!
※作者から
リクエスト頂いたP.T.S.Dについてのお話なのですが、読者様の中で不快な思いをされる方がいるかもしれないという個人的な考えにより、このお話は書けません。申し訳ありません。
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星妻桜@姉妹同盟(プロフ) - 主の心を俳句に 好きすぎる 推しイケメンか 無理しんど (2020年9月17日 2時) (レス) id: fe16128dce (このIDを非表示/違反報告)
おやたぬき(プロフ) - 綾海さん» 了解です!リクエストありがとうございます!!さては寂雷先生推しですか??()遅くなりますが、気長にお待ちください! (2019年2月20日 22時) (レス) id: 42caa9770f (このIDを非表示/違反報告)
月華姫(プロフ) - こんばんわ!リク受付ありがとうございますm(__)mはい!完成ゆっくり楽しみにお待ちしています♪おやたぬき様のペースで此れからも頑張ってください!!ではまたっ (2019年2月20日 21時) (レス) id: 8c63610ac2 (このIDを非表示/違反報告)
おやたぬき(プロフ) - 月華姫さん» 了解しました!!遅くなってしまうかもしれませんが、気長に待っていただけると嬉しいです!リクエストありがとうございます!! (2019年2月20日 21時) (レス) id: 42caa9770f (このIDを非表示/違反報告)
綾海(プロフ) - リクエストで、交通事故でPDSDになってしまった夢主(寂雷先生の年の離れた妹)と寂雷先生のお話がみたいです。 (2019年2月18日 20時) (レス) id: ba228ed2f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おやたぬき | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuhi/
作成日時:2018年9月27日 21時