【探偵チームkz事件ノート☆雛人形は知っている】

episode9〜戻ったっ！〜 ページ9

忍の言葉に私たちは、大慌てで荷物を運び出した。

小塚君は、私より熱心に運んでいた。

きっと、責任を感じてるんだよね。

二人で荷物を運んでいる間、忍は辞書を使って何やら調べていた。

その間にも、体のヒビはどんどん広がっていった。

「七鬼、全部運び出したよ。」

小塚君が忍に声をかけると、若武の体がある地面の周りに、魔方陣みたいなのを書いた。

二人で見守っていると、忍は若武の前に立ち、手をかざした。

何やら呟き、さっと横に手を振るうと、魔方陣が光輝き、光が若武を包み込んだ。

光が収まると、若武がこっちを見た。

「俺、今まで何してたんだ？」

体も元通りで、しゃべり方や仕草もいつもの若武だった。

やったっ！

元に戻ったんだね！

私がほっと胸を撫で下ろしていると、小塚君がその場にしゃがみこんだ。

「よかった…。若武が元に戻って。」

そうだね。

小塚君に同情していると、若武が雛人形の入った箱を元あった場所に戻した。

「何が起きたか全然覚えてないけど、この雛人形気持ち悪いから、とりあえず、ここに置いとくよ。」

そう言って、部屋を出ていく。

「しっかし、本当に何があったんだ？」

若武は、まだ気にしているようだった。

よかった、いつもの若武だ！

私は微笑みながら、皆が物置から出たのを確認してから、最後に出た。

皆の後をおいながら、思った。

あの雛人形には、一体何が隠されているんだろ。

うーん、気になるなぁ！

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