【鬼滅の刃】新しい隣人は、私の推しでした。

第12話 痴漢 ページ15

〜Aside〜

それから、毎週水曜日、竈門さんにカレーを届けることとなった
ドアのチャイムを押せば、毎回凄まじいイケメンスマイルで出てきて、受け取りがてらたわいも無い話をしてくれる

弟がサッカーの大会に出ただとか、近くの公園に猫が沢山いただとか。そんな話。
竈門さんもkamabokoファンなのかは結局聞けずじまいでそのまま時は流れた




ｶﾞﾀﾝｶﾞﾀﾝ…




今日は何カレーにしようかな
トマトカレーでもいいし、ドライカレーもいいかも！！いや、夏バテ防止のための夏野菜カレーか？



そんなことを考えながら大学の帰りの電車に乗った
相当混むけれど乗り換え無しで家の最寄りまで着けるので本当に助かっている



途中で乗ってきたおばあちゃんに席を譲りつつ、吊革につかまって景色をぼんやりと眺めていた




ｻﾜｯ





何かが自分のお尻に当たった
一瞬びっくりしたけど、まあ満員電車なんだし仕方ないよね。




ｻﾜｻﾜ




でも、次第におかしいと思い始めた
「触れてしまった」じゃない。
明らかにこれは「触って」いる。



《痴漢》



この存在に出会ったのは初めてだった
こんなに混んでる電車で遭遇しないのも珍しいことなのかもしれない

そんなことを考えているうちに痴漢の手は激しくなっていく




「ﾌｩ､ﾌｩ」




後ろから荒い鼻息が聞こえてきて気持ち悪い
『やめてください』そう言おうと思った






でも、体が動かなかった






私は、極度に緊張したり怖いことがあったりするとすぐ体が動かなくなってしまう
こんな時にそれが起こるなんて…！


ドクン、ドクン、ドクン


心臓が早鐘を打つ
困惑、気持ち悪さ、恐怖。色んな感情がごっちゃごちゃになって今すぐ座り込みたくなる


怖い、怖いよ



誰か─────────









、








ｶﾗﾝ








聞き覚えのある音が耳を掠める
その瞬間、私を触っていた気持ちの悪い手がぱっと離れた




「何やってるんだ」




いつもの優しい表情とは違う鬼の形相で痴漢の主を睨みつけていたのは、竈門さんだった。

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煉獄さんの羽織

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