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188.横転する列車 ページ38

「黄色い少年!

 俺はこの列車の後方5両を守る!だから…」


 黄色い少年の横には竈門少年の妹がいて、

 彼女も我々と同じように鬼から乗客を守っていた。

 身体のところどころからは血が流れ、

 自らの命をかけて鬼と戦っている。

 彼女自身も"鬼"であるというのに…

「君も共に戦ってくれるのだな。」

 俺がそう問うと、竈門妹は力強く頷いた。



 そうか。頼もしいな。


「黄色い少年!竈門妹!

 君たちは前の3両の乗客を守ってくれ!

 君たちならできる!俺は信じているぞ!」


 俺は二人に指示を出すと、早急に次の隊士の元へ向かった。


「竈門少年!」

「煉獄さん!?」

「ここに来るまでにかなり細かく斬撃を入れて来たので、

 鬼側も再生に時間がかかると思うが、余裕はない!!

 手短に話す。この汽車は8両編成だ。俺は後方5両を守る!

 残り3両は黄色い少年と竈門妹が守る。

 君と猪頭少年はその3両の状態に注意しつつ、
 
  鬼の頸を探せ。」


「頸!?でも今この鬼は…」

「どのような形になろうとも

 鬼である限り急所(くび)はある!!

 俺も急所を探りながら戦う。君も気合を入れろ!!」


 猪頭少年に同様の指示をすると、

 俺は再び後方の列車へ戻った。


 炎の呼吸 壱ノ型 不知火!

 弍ノ型 昇り炎天!


 列車内は鬼の肉の手があらゆる所で伸びて、

 人を襲おうとする。狭い列車内で剣を振り回すのは、

 想定していたよりもかなり大変だ。


 黄色い少年と竈門妹は大丈夫だろうか?

 竈門少年と猪頭少年は頸を見つけ出せただろうか?


 …大丈夫だ。きっと彼らはやってくれる。

 後輩を信じろ!!



 絶対に誰も死なせはしない。守り抜いてみせる。



 

 しばらくすると、汽車中に鬼の叫び声が響いた。

 それと同時に激しく揺れる車内…横転する!!


 俺は乗客を守るべく、横転の衝撃に備えて

 いくつも技を繰り出した。


 
 勢いよく地面に投げ出される汽車は

 地を滑り、ようやく止まった。


 止まった車内では目覚めた乗客たちが混乱していた。


「いやあ!!血が…!!血が…!!」


「大丈夫だ!慌てず、この布で傷口を抑えるといい!」



「父さんが!ねえ、お兄ちゃん!

 お父さんが反応しない…!!」


 声を上げる少年のもとへ駆け寄ると、

 父親は頭を打ち付けて気を失っているようだ。


「案ずるな!呼吸はしている!すぐに助けがくる!」
 

189.上弦の強さ→←187.口づけと別れ



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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - 小鈴さん» 感想ありがとうございます!最後までお読みいただき光栄です。物語は読んでもらってこそ生きるものだと私は思うので、この作品を見つけてくださり、そして読んでくださったこと、本当にありがとうございます! (2022年11月15日 18時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
小鈴(プロフ) - 素敵なお話をありがとうございました。途中からずっと、涙なしでは見られませんでした。この作品の主人公と煉獄さんに出会えて本当に良かったです! (2022年11月14日 22時) (レス) @page50 id: 97399e389e (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 最後までお付き合いいただき、感謝申し上げます。主人公に感情移入し、物語に入ってもらってこそ、この小説の醍醐味と思い作っていたので、大変光栄です!あたたかいコメントにいつも励まされておりました。ありがとうございました! (2022年7月16日 7時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 読了が遅くなりました。お疲れ様でした。長らく愉しませて頂きました。現し世でなくても、ハッピーエンドとは!こういう纏め方もあるのかと感心です。彼女の気持ちに入り込んでいたため、逢いたいけど早いよと涙しました。 (2022年7月15日 16時) (レス) @page50 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます!起承転結の「転」は恐らく読者様の予想を超えるものになってしまったかもしれません。しかし、美桜さんのように嬉しいお言葉をいただけると、作者として本当に幸せです♡最後まで読んでくださり、ありがとうございました! (2022年7月10日 15時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年6月12日 13時

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