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109.自信 ページ9

「良くも悪くも

 人の心は移ろいゆくものだから。


 私は彼のことを信じているけれど

 気持ちが変わってしまうことも…あるかもしれない。


 それが心からの想いなのであれば、

 それが彼にとって本当の幸せであれば、

 私は甘んじて受け入れるつもり。」




 そう…


 もしかしたら永遠なんてないのかもしれない。



 どんなに愛していても


 …愛しているからこそ


 不安になり、弱くなることもある。





「杏寿郎が望むのなら、

 彼の隣が花子さんでも私は良い。

 彼が笑顔になれるのならそれで良い。」




「Aさん…」

 


 花子さんの顔を見ると、

 彼女は目を丸くして驚いていた。



「だから自信があるわけではないの。

 あっ!でも、彼への想いの強さなら

 誰にも負けない自信はあるよ!



 さあ、そろそろ行きましょう!」




「…はい。わ、私も…負けません!」




 はじめより柔らかくなった彼女の表情を見て


 少し胸を撫で下ろすと、


 相之助くんの待つ方へ歩みを進めた。






「大丈夫ですか?何かありました?」



「ううん。お待たせしてごめんね!

 行きましょうか。」






 林道を三人で歩いていると、途中で道が二つに分かれた。




「Aさん、どちらでしょうか。」


「そうだね…」




 私はどうもこういう地理には疎くて…




「峠の茶屋へはこちらです!」



「花子さん、道詳しいの?」




 私と相之助くんの先を行く花子さんは

 出会ったばかりの任務の頃とは違く、頼もしそうに笑った。



「この辺りはよく通りますから!」



 花子さんは確実に成長している。

 あの頃は任務に行くことさえもまだ少し緊張していて

 怖がっている様子だった。


 

 相之助くんもそうだけど、

 後輩たちが成長している姿を見ると

 なんだか自分のことのように嬉しくなる。
 


「ありがとう!

 頼りにしているよ、花子さん!」



 彼女の肩に手を置くと、照れ臭そうに顔を赤らめた。






 道なりを歩くと、

 自然に囲まれた中にポツンと佇む建物が見えてきた。

 


 杏寿郎、先に着いているかな?




 店の前に差しかかると、室内から大きな声が聞こえた。






「うまい!!」







「ふふふ。」


 どうやらもう着いているようだ。

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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、コメントありがとうございます!夜空に咲く花のシーンは、私自身お気に入りのシーンなので、そう言っていただけて、とても嬉しいです!ありがとうございます。 (2022年6月12日 20時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 夜空に咲く花を背にした二人の情景が浮かぶ綺麗な文章にも癒されました。 (2022年6月12日 18時) (レス) @page44 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - ストレートに伝えて下さる煉獄さんに、またまた癒やされました。本日もご馳走さまでございます! (2022年6月12日 18時) (レス) @page43 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - エリスさん» エリスさん、応援ありがとうございます!ずっと読んでくださっているだなんて感激です♡ 更新の励みになります!ぜひ、最後までお付き合いくださいませ。 (2022年5月5日 0時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 第三弾おめでとうございます^ ^こっそりとずっと読んでます(笑)これからも応援してます! (2022年5月4日 23時) (レス) @page12 id: 8779dd4f89 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年4月27日 20時

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