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6.村の英雄の正体 ページ6

橙色に染まる空の下

 手で撫でられたように

 薄く広がる雲を眺めながら川辺で夕涼みをする。


 足を通り過ぎていく川の水は透き通っていて

 私の記憶の全てを消し去ってはくれないかと

 願ってしまう。



 気がつけば彼の死から数週間が経っていた。


 
 彼が亡くなった日、

 隠の方々と共に彼の生家を訪れた私は

 鬼に襲われたことについて話をした。


 "何を馬鹿な話をしているんだ"と、

 信じてもらえないと思っていた。


 しかし、両親の反応は私の想像とは違った。


 "また恐ろしい鬼がこの村に戻ってきたのか"


 と、彼の父親は言った。


 聞くところによると、

 約40年前にこの村は鬼の襲撃に遭ったそうだ。

 私は両親からそのような話を聞いたことがなく、

 驚きを隠せなかった。




 40年前も特殊な刀を持った剣士が一人で鬼と戦い、

 村を守ったとのこと。


 その人物は…

 





「ふう…」


 目を閉じてみると瞼に浮かんだのは


 あの男の綺麗な剣技。



 私もあの人みたいになれたら、

 大切な人たちを守ることができる…?


 敵を討つことができる…?



 その時、ドクン…ドクン…と鼓動が激しくなり、

 心が熱く燃えるような感覚がした。



「私も…」




 私はこの決心が揺らがないうちにと、

 急いで自分の生家へと向かった。



 
「お父さん!お母さん!」


 勢いよく玄関の扉を開けて居間へと足を運ぶ。


「A?どうしたのそんなに慌てて。」


 畳に頭と手をつけて私は決意を告げた。


「お願いがあります。

 私は大切な人を鬼に襲われ亡くしました。

 その敵を討つべく、

 私は鬼狩りになるための修行を受けたく

 しばらくこの家を離れたいと思います。」


 静まり返る空間に手が震える。



 その静寂を切り裂いたのは父の声だった。



「A、お前の気持ちはよく分かった。

 だが、大切な愛娘をそう簡単には…」



「どうしても…!!

 どうしても…私は鬼が憎い。許せないのです。

 40年前にもこの村が襲われたことがあったのでしょう?

 その時この村を救ったのは」






「儂だ。」

7.折れない心→←5.炎柱と呼ばれる男



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設定タグ:煉獄杏寿郎 , 鬼滅の刃 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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狐姫(プロフ) - ハウンさん» ハウンさん、こちらこそお読みいただきありがとうございます!引き込まれると言ってくださり大変光栄です!続編も更新しましたので、引き継ぎお楽しみいただけるよう頑張りますね! (2022年3月1日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» misakimiさん、ありがとうございます!まっすぐな煉獄さんの深い愛情が表現できていれば…と思います。これからもそんな彼を言葉だけではなく、仕草や態度での表現ができるように努めたいところです! (2022年3月1日 22時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)
ハウン(プロフ) - 素敵な作品を作っていただきありがとうございます!ものすごく感情移入してしまって胸が締め付けられるくらい引き込まれました!続編楽しみにしてます! (2022年2月28日 23時) (レス) id: 065a2165a6 (このIDを非表示/違反報告)
misakimi(プロフ) - 今日も煉獄さんが素敵だ。押し付けがましいところは一切なく、ただただ彼女の幸せを願い笑顔を作れる彼は本当に素敵。 (2022年2月28日 21時) (レス) @page50 id: cb1d4026ae (このIDを非表示/違反報告)
狐姫(プロフ) - misakimiさん» 彼はあまり内緒話など出来なさそうですよね(笑) 巧いだなんて言っていただけて…嬉しすぎて今夜は幸せな気持ちで眠れそうです〜!いつもありがとうございます。 (2022年2月26日 21時) (レス) id: 12299479a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狐姫 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/kohime_yume  
作成日時:2022年2月5日 21時

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