思春期たんじろ恋をする【キメツ学園】

12 お勉強 ページ13

炭治郎side


善逸にちょっと打ち明けたらすっきりしたな。

「私に勉強教えてくれない？」なんて言われた時にはばっちりと目が合い
甘えるような声で話すものだからその瞬間、頭に冨岡先生の言葉がよぎっていた。
「お前は素直な性格だし忠告だ」という先生の言葉はその通りで、
頭の中をよぎっていたのにも関わらず善意がすぐに前に出て彼女に「いいぞ」と即答。
即答した後でやってしまったと思った、もっと考えるべきだった。

でも最終的には勉強を教えること自体には何も問題がない。
俺の力量でなんとかなるなら協力してあげたかった。
だからどっちにしろこれでよかったのかもしれない。

そう思い、善逸に相談した後は予定日を彼女と二人で決めて資料室で教えることにした。

そして迎えた当日の放課後。

資料室は静かでとても勉強に集中できるスペースだ。
他のクラスからは離れ、部活の活動区域でもない。
これだったら集中できるし資料もゆっくり見れる、一石二鳥。

弟妹に勉強を教えるように優しく教えてあげよう。
でもいつも弟妹には渋い顔をさせてしまう。

そのことを当日思い出してしまうあたりちょっと浮かれてるのかもしれない。


「ごめ〜ん、待った？」

「HRが長引いてたんだよね、そんなに俺は待ってないよ」


資料室に無造作に置かれた机に資料を置いて俺は準備をしていた。
彼女は相変わらずスカートは短いしボタンは開けているし露出が多くて困る。
でもそれをわざわざ言うのも恥ずかしくて堪らないし黙っている。


「じゃあ始めようか」

「はい、炭治郎先生！」


Aは俺を先生と呼びえへへと笑う。

俺は課題のプリントを見て全体的に内容を教える。
教科は日本史、苦手なのかもしれないし極力丁寧に話す。

やり方を言葉で表すのは得意ではないがまだ内容を説明するならできる。
数学や英語は教えにくいがまだ暗記系の方が個人的には教えやすかった。


「この時代では土器が出てくるんだ、そして種類があって…」


机を横に並べ隣に座る。
Aとはクラスも違うし新鮮だ。
俺は教科書や資料を使い指でなぞり示して理解を促す。

授業が楽しい煉獄先生の教える教科でもあったためかすらすらと教えられる。

俺は夢中になって話す。
そして彼女の手が動いていないのに気づきふと隣を見るとまた目が合った。
まさか途中から俺は見られていたのだろうか。


「えっと…」


俺が口ごもると彼女は視線を逸らさずに言う。


「気にしないで続けて？」

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