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#127『本気』 ページ41

「知らない奴らから探偵社員を出せって・・・・・・」


怪我があるようには見えないがガクガクその体は震えていた。


店の奥に店長が指を押え、蹲っていた。


「店長の・・・・指が」


店長の昨日まで優しくコーヒーを注いでいた指からは血が流れていた。

爪を剥がされたようだ。



「大した傷じゃ・・・・・・ありません。皆様が御無事で・・・・・・良かった」


店長は痛みを堪えながら言った。


探偵社の空気が変わった。
何時ものおちゃらけた雰囲気では無い。


本気の時の時の顔だ。



「・・・・・・乱歩さん」


太宰は江戸川の方を見た。江戸川は頷くと自身の異能力発動のトリガーである眼鏡をかけた。


『超推理』



「・・・・・・廃坑になった炭鉱の地下だ」


この結論まで要した時間は五秒。

探偵社員は顔を見合わせ強く頷いた。


漸くやる気が出た




―――――――――――

「賢治くんそこのドアを突き破りたまえ」

江戸川が賢治に司令を出した。

ここはうずまき襲撃事件の犯人グループのアジトだ。

朔達はリーダーが居る場所の前に居る。

五日に一回アジトが変わるらしいがそんな事は江戸川の目の前では関係が無い。

江戸川の指示に賢治は軽くドアを押した。

見た目はこじ開けることがが不可能な銀行で使われてそうな重厚なドアだ。

まあ、賢治からしたら薄っぺらい板と同じぐらいの物だろう。


「開きました!」


賢治の言葉に社員は中に足を踏み入れた。


リーダーと見られる男が目を見張っている。



「ば・・・・・・バカな。この隠れ家を見つけられる筈が」



「乱歩さんが五秒で割出したよ」


「か、監視カメラは」



「谷崎君の幻像の異能力で」


監視カメラには谷崎の異能力である『細雪』による偽りの世界が映っている。


「武装した見張りは」


「国木田と敦のお陰だねェ」


見張りは国木田と敦によってほぼ五分以内に片付けられた。


「君たちには、お礼を言わないと」


「お陰でやる気が出た」


太宰たちは口角を上げた。

怖い笑みをきっと浮かべているのだろう、敵の顔が強ばった。


「まだだ!電話1本でここいらの凶悪犯罪組織が何十人と押し寄せて――――」


リーダーが急いでその凶悪犯罪組織に電話をかけた。


『莫迦か!?あの探偵社を怒らせたのか!?命が百個あっても足りん!俺たちは降りるぞ!』


袋の鼠だ。

#128『再会』→←#126『燃え尽き症候群』



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飛沫(プロフ) - hurukawaさん» いえいえ、すみません。是非最後まで見てください。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - 見れました!ありがとうございます! (2021年1月15日 18時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
飛沫(プロフ) - hurukawaさん» ご指摘ありがとうございます。こちらの不手際で非公開になっておりましたので、それを解除しました。見れるようになれたと思います。すみませんでした。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - #96がないです (2021年1月15日 17時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛沫 | 作成日時:2020年3月16日 15時

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