#100『理解が出来ない』 ページ15
「質問に答えましょう。まず、中原さんがポートマフィアの本部前に居たのは、僕の異能力によって気絶したからです。起きた後暴れられたら困るので、本部前まで運びました」
かなり重かったです。朔は苦笑いを浮かべた。
「もう1つ、何故『荒覇吐』を知っているのか?」
朔は黒い笑顔を浮かべた。
「・・・・・・秘密です」
「はあ?」
「いずれ分かりますよ。僕の事より・・・・・・久作君をどうにかした方がいいですよ」
朔はスタインベックの異能力『怒りの葡萄』で壁に張り付かれているQを見た。
痛々しい姿に朔は哀しそうな目を向けた。異能力を持っていたからだ。
異能力を持っていなかったら、幸福になる筈の子だ。
久作は朔と話している時、「死」っていう言葉を口に出さなかった。
死んだら自由なのに・・・・・・何故皆はこうも生きようとするのだろう。
「分かってるよ。中也、ナイフ貸して」
太宰はQの前に進み出た。
「あ?あぁ・・・・・・ん?確か此処に・・・・・・」
中也はナイフを自身の懐から出そうとした。
「あ、さっき念の為に摺っておいたんだ」
「手前・・・・・・」
太宰は悪気ありまくる笑顔を浮かべた。
「さてやるか」
太宰は久作の首に刃を添えた。
このまま横に引けば久作は間違いなく死ぬ。永遠の自由を手にする。
「・・・・・・止めないの?」
太宰は後ろに居る中也を振り返った。
「首領には生きて連れて帰れと命令されている」
「だがこの距離じゃ、手前の方が早え。それに、その餓鬼を見ていると
「やれよ」
「朔君は? 君に随分懐いてしまったようだが・・・・・・」
太宰は今度は朔を見た。太宰は気づいたんだろう朔が久作を『久作君』と呼ぶ理由が。
「『死』とはその人を罪から解放し、自由にする事です」
朔は太宰を見た。
「お任せします」
2人の返答を聞いた太宰はQの方を向いた。
「そうかい、じゃあ・・・・・・遠慮なく」
太宰はナイフを高く振り上げ、Q目掛けて振り下ろした。
だが、それはQに当たることは無く、Qを縛り付けている木に刺さった。
太宰は元々殺す気なんてさらさら無かったのだ。
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飛沫(プロフ) - hurukawaさん» いえいえ、すみません。是非最後まで見てください。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - 見れました!ありがとうございます! (2021年1月15日 18時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
飛沫(プロフ) - hurukawaさん» ご指摘ありがとうございます。こちらの不手際で非公開になっておりましたので、それを解除しました。見れるようになれたと思います。すみませんでした。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - #96がないです (2021年1月15日 17時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飛沫 | 作成日時:2020年3月16日 15時