検索窓
今日:3 hit、昨日:7 hit、合計:43,045 hit

#99『捉えどころ無い』 ページ14

ただ単に、何も考えずぼーっとしていただけのようだ。


「ああ、太宰さんと中原さん。待ってましたよ」



朔は立ち上がった。



「朔君・・・・・・この場所は何時知った?」



この場所を乱歩の超推理で割り出す時に朔は居合わせてなかった。

太宰は訝しげに聞いた。





「これですよ」



朔はそう言うとズボンのポッケトから小型端末機を取りだし、太宰達に見せた。

太宰は納得、と頷いた。

一方中也は朔の顔をジッと見ている。



「朔君・・・・・・器用だねえ。真逆こっそりQに発信機を付けるなんて」



太宰は半分呆れた顔をした。



「あああああ!」




太宰の隣で中也は何を思い出したのか朔を指さした。


「手前あん時俺になにした?」




中也はずんずんと朔に歩み寄り、朔の胸ぐらを掴んだ。

朔は口角を上げた。


「僕は何もしてませんよ」



恍ける気だ。




「じゃあ、なんで俺が探偵社のアジトでお前と戦っていた筈なのに、マフィアの建物前で寝てたんだよ!」



「へー中也って未成年を(なぶ)趣味あったんだ〜最低〜」


横で太宰は中也をからかい始めた。



「ねえよ」



中也は太宰に口角を飛ばした後、朔の方を真剣な顔でみた。


青色の瞳が朔を射抜いた。ああ、美しい。この人はきっと優しい人なんだ。



朔は悲愴感のある目を向けた。

中也は朔を睨んだ。

この少年手足は棒のように細いが、頭脳は太宰レベルだ。


朔は悲愴感のある目を向けて来た。

此奴の目は・・・・・・昔の太宰に似ている。
紫色の瞳にハイライトなど存在しない。そこにあるのは底なし沼のような闇。


そして、世にも珍しい燃えるような赤髪。



きっと此奴は人間として扱われたことないだろうな、中也は朔を憐れんだ。

「僕を・・・・・・憐れまないで下さい。僕は貴方のご想像の通り、人間として生きて来ていません。貴方と同じくね」




中也は胸ぐらを離した。



朔が言おうとしているのは、荒覇吐のことだろう。中也の体の中にある、荒ぶる神。



その事は太宰は勿論中也も分かった。



ただ、あれは異能特務課で厳重に管理された情報だ。




「手前ェ・・・・・・何故・・・・・・その事を・・・・・・」



其の質問に朔は口角を上げた。

#100『理解が出来ない』→←#98『何処か温かい』



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
44人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

飛沫(プロフ) - hurukawaさん» いえいえ、すみません。是非最後まで見てください。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - 見れました!ありがとうございます! (2021年1月15日 18時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
飛沫(プロフ) - hurukawaさん» ご指摘ありがとうございます。こちらの不手際で非公開になっておりましたので、それを解除しました。見れるようになれたと思います。すみませんでした。 (2021年1月15日 18時) (レス) id: 06a707eb14 (このIDを非表示/違反報告)
hurukawa - #96がないです (2021年1月15日 17時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:飛沫 | 作成日時:2020年3月16日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。